設立30周年を迎えた「認定NPO法人多摩子ども劇場」の理事長を務める 市川 ひとみさん 八王子市南陽台在住
子どもの文化活動を支援
○…ニュータウンとして開発されたばかりの時代、地域には昔ながらの祭りやコミュニティーといった子どもを育てていく環境がまだできていなかった。そうした中、子どもたちに文化体験できる活動を作り出し、地域の人たちの繋がりを創出することを目的に設立され、今年30周年を迎えた。以来、定期的にコンサートや生の舞台を鑑賞できる場を提供してきた。
○…学習塾や習い事など、以前に比べて子どもたちの時間の使い方が多様化している昨今。「今改めて子どもたちが文化体験できる場が必要なのかなって思いますね」。8月に親子、子どもキャンプ、10月は寄席、11月にはワークショップ形式の子ども文化キャンペーンを予定している。普段体験できないことを体験した子どもたちのイキイキとした笑顔。親たちのネットワークの広がり。そうしたものが見えたときに「やってよかった」と実感する。
○…活動に参加するようになったのは25年程前。ニュータウンに引っ越してきた時に、子どもが通う幼稚園の仲間に誘われて参加した。芝居を見ることが好きだったことから、子どもと一緒に近場で芝居を見ることができるのが魅力だった。会員にアンケートを取って、候補作を絞り、総会で企画を決める。「地域に必要だな」と活動の意義を感じ、運営に携わるようになった。20年前からは理事長職に就いている。「そろそろ若い人にやってもらいたいんですけどね」と苦笑する。
○…子ども劇場東京都協議会の理事も兼任し、子ども文化地域コーディネーターとして、市内の小学校に芸術家を派遣する役割なども担う。最近、長女夫婦と2人の孫と同居するために引っ越した。「家で仕事ができなくて。孫と一緒に遊びたくなるから」とほほ笑む。「今住んでいる場所で今までの経験を活かして、活動を、人の繋がりを作っていきたいですね」。子どもと文化を地域でつなぐ活動はこれからも続く。
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