多摩市がまちづくりにおける総合計画のひとつとして掲げている「健幸都市(スマートウェルネスシティ)・多摩の創造」。身体面だけでの健康だけでなく、それぞれに生きがいを感じて安全・安心に暮らす誰もが幸せを実感できるまちをめざすというものだ。
その「健幸都市」への取り組みは民間にも広がりをみせている。今年3月に開催されたイベント「オール多摩!健幸甲子園プレ大会」もそのひとつ。
同イベントは「健康長寿日本一のまち・多摩」を目指し、日々”健幸”づくりに取り組んでいる民間団体やNPO等の出会いと発表の場として、健幸甲子園実行委員会の主催、(社)多摩マイライフ包括支援協議会と多摩市、多摩市医師会の共催で33団体が参加して行われた。多摩市が目指す「地域包括ケア」体制の構築を応援するイベントとして、今後も年に一度の開催を予定しているという。
本紙では、プレ大会に参加した一部団体の活動を今後定期的に紹介していく。
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プレ大会で審査員、来場者の投票で取り組みを評価され、優勝したのが「おもちゃ病院Kebo」だ。同団体は、ボランティアとして、おもちゃや小物などを修理する活動を行っている。2000年に発足し、現在80人のメンバーが所属。市内を中心に各所で年間80回ほど”開院”している。
「市内や周辺地域には大手電機メーカーに勤務していた技術を持った人たちが多く、リタイヤ後に手を持て余していた。その技術を活かすことはできないか。子どもが何でも手に入る時代に物の大切さを伝えようと、立ち上げたのがこのおもちゃ病院でした」と話すのは、3代目院長の加藤伸夫さんだ。
平均年齢は72歳。おもちゃの修理を通じて仲間や子どもたち、その親とのコミュニケーションを図るだけでなく、手先を動かすことで認知症防止に。活動にはそうした意味合いもある。
目の前で壊れたおもちゃを蘇生させた後の子どもたちの笑顔。「ありがとう」の言葉。それがやりがいだという加藤さん。買ってもらった物を大事にし、慈しむ心を育む。それが心優しい大人への成長に繋がる。「たかがおもちゃ。たかが小物。でも勇気と希望を与えることもある。今まで培ってきた経験を社会に還元する。そうした姿を子どもたちの未来のために見せていきたい」と話した。
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