「向こう3軒両隣、つながりで安心を」を合言葉に、地域の見守り合い活動を推進している団体がある。それは「関戸2丁目・ご近所見守り合いの会」(小磯秀雄世話人代表)だ。”向こう3軒両隣”でひとつのグループを構成し、声掛け運動を中心とした高齢者等への見守り合いと支え合いを行おうと町内で呼びかけを行っている。「高齢化が進む市内で、モデル地区としてこの活動が他の地区にも広がっていけば」と小磯代表は話している。
ニュータウン開発以前から”街”として多くの人が暮らす関戸地区。2丁目には、現在約2500人600世帯が暮らす。高齢化が進む市内の中でも、2丁目は特に高齢化率が年々高くなっており、空き家や独居、夫婦二人住まいが増加。そうした影響から、高齢者の孤立や孤独、体が不自由な人たちへの心配り、防犯や防災への対応といった様々な地域の課題があるという。
そこで高齢者たちの居場所づくりにと2009年に「サロン河原倶楽部」を発足。お茶飲みやカラオケ、防犯・防災の講習といった活動を行い、繋がりを作ってきた。その次のステップとして、地域で「見守り合い・支え合い」を行おうと、小磯さん、森田利夫さん、鈴木幸夫さんが発起人となり、鈴木勝行さん、小泉裕子さんが世話人に加わり、関戸自治会会長の中村洋一さんが相談役となって、昨年5月に「ご近所見守り合いの会」を立ち上げた。
声掛けで異変を察知
会の活動は、誰もが住み慣れた町で安心して暮らしていけるように”向こう3軒両隣”の5〜7軒でひとつのグループを構成し、声掛け・見守り活動を行う体制づくりを行うこと。「雨戸の開け閉めがされているか」「洗濯物が出し入れされているか」「郵便受けに郵便物がたまっていないか」「家屋の照明がついているか」「異変に気づいたら関係者に連絡を」を確認し合うことを呼びかけている。
会の発足後、地域で説明会を行い、チラシを回覧。戸建を中心に世話人が戸別に訪問し、協力を呼びかけてきた。現在、出来上がったグループは想定の約半分となる30ほど。中には「プライバシー」「任意」を理由に難色を示す住人もいるものの、繰り返し説明を行い、協力を得ることができているという。
他地区のモデルに
地域コミュニティーの希薄化によって日常や災害時の”共助”が課題とされる昨今。「高齢者を中心に、子育て世代の人たちの困り事・心配事にご近所で手を差し伸べる仕組みづくりを行うことが目的。こうした繋がりができれば孤独、医療介護、認知症なども早く見つけて関係機関と連携を取ることもでき、地域の防犯、防災としての共助にも繋がる」と小磯さんは活動の目的を説明する。重ねて「住民一人ひとりが主役。今後、地域の人たちの理解、協力を得ながらグループ構成づくりを続けていきたい。そしてこの見守り活動がモデルとなって、他の地区にも広がってほしい」と今後について話している。
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