市立西愛宕小学校(岡田啓孝校長)と、年賀状等制作・印刷会社「(株)マイプリント」(本社・永山、木村健一代表取締役)は11月28日・29日、年賀状を使った巨大モザイクアートの制作に挑戦し、ギネス世界記録を達成した。使用した年賀状は4万8千4百枚。716・32平方メートル(縦32・56m×横22m)のモザイクアートが完成し、同小学校の児童たちは世界記録の認定に喜びの声を上げた。
この企画は、年賀状印刷や婚礼招待状などを手掛ける(株)マイプリントが創業50周年を迎え、新たな1歩を踏み出す年に何か挑戦しようと思案。日本の伝統文化である年賀状が年々減少傾向にある中で、特にデジタルネイティブ世代である若年層に年賀状文化を継承、醸成してもらいたいとの思いから発案した。そうした中で、来年3月に統合のため閉校になる西愛宕小学校に企画を打診。「最後に学校の名前を残したい」「友達との思い出づくりに」と賛同を得たことから、「年賀状でつながろう」をテーマに「ギネス世界記録挑戦プロジェクト」をスタートすることになった。
これまでのギネス記録は、今年11月にイギリスのレスターシャーの学生たちがポストカード4万8百枚を使用して制作した633・15平方メートルのモザイクアート。ギネス認定への条件は「市販されているポストカードを使用」「枚数と面積」で、事前にギネス認定員が市販されているものかどうかを確認してから、記録への挑戦は始まった。
使用枚数は4万8千4百枚
会場となったのは恵泉女学園大学の体育館。同社社員70人と、西愛宕小学校の児童、卒業生、保護者、地域の人たち95人が参加して、午前10時過ぎに制作に取り掛かった。事前に制作したデザイン画をもとに、いくつかのグループに分かれて、大きな画用紙に1枚1枚年賀状を貼付。途中で児童たちは帰宅したものの、同社社員が作業を続け午後7時過ぎに作品が完成すると、会場から大きな拍手と歓声が巻き起こった。
完成したモザイクアートは、来年の干支である「猿」が描かれた同社のオリジナル商品『ほんわか日和』の巨大版。使用した年賀状は179種類4万8千4百枚で、その大きさは縦220枚、横220枚の716・32平方メートルになった。
翌日、完成した作品をギネス認定員がチェックし、測量士が正確に面積を計測した後、正式に世界記録が認められた。その後行われた認定式には、前日制作に参加した子どもたちをはじめ、地域の人たちも出席。前日の制作過程を撮影したダイジェストムービーが映写され、いざ完成したモザイクアートが披露されると、子どもたちは感嘆の声をあげ、会場は大きな歓声と拍手に包まれた。
学校の名前が世界に
今回、参加した3年生の女の子は「並べる時にずれて難しかったけど、楽しかった」と話し、保護者からは「自分たちがギネス記録に挑戦することなんてなかなかない。子どもたちも良い経験になったのでは」と感想を述べた。
西愛宕小学校の岡田校長は「すぐに記録が塗り替えられるかもしれないが、来年閉校になるこの学校の名前が世界に残ることは嬉しい。小さい学校でも頑張れば夢や希望を与えられるということを証明できる機会になった」と語った。マイプリントの実行委員・北島健司さんは「3カ月前から準備を進めてきたが、世界記録への挑戦ということで大変だった。子どもたちがキラキラした目で作業に取り組んでくれ、作品を見て喜んでくれてよかった。年賀状を若い世代にと『つながり』をテーマに取り組んだが、その趣旨は伝わったと思う」と振り返った。
なお、今後はギネスへの登録手続きを進めていくという。さらに使用した年賀状は「ギネス記録達成」を印字、ナンバリングし、参加した児童や地域の人たちに配られているという。
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