多摩市は2月4日、2016年度の当初予算案を発表した。団塊の世代が後期高齢者となる「2025年問題」に向けた10年間の始まりの年として位置付け、その取り組みを進めるための経費などを中心に一般会計予算案に544億7千万円を計上。特別会計を合わせると総額878億9998万円となり、過去最大となった。
第五次多摩市総合計画第2期基本計画の2年目となる2016年度。2月4日に行われた記者会見で、阿部裕行多摩市長は「全国的に高齢化が進む中、多摩市は、その波が顕著。『2025年問題』に向けて課題に着実に取り組み、成果を出す年度となる」と言及。加えて「活力ある魅力的なまち、市民一人ひとりが幸せを実感できるまちを目指す予算編成になった」と発表した。
一般会計は、前年比1・5%増の544億7千万円となり、1996年度に過去最大となった556億円6700万円に次ぐ予算額を計上。また特別会計では、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療といった社会保障費がそれぞれ前年よりも増額(表参照)となり、一般・特別会計を含めると878億9998万円(前年比1・7%増)で過去最大となった。
重点的な取り組みとして、これまで進めてきた子育て支援の推進や、児童・生徒の学びの環境の改善、防災機能の強化などに加え、総合計画第2期基本計画の取り組みの方向性である3つの柱【1】「健幸都市(スマートウェルネスシティ)・多摩の創造」【2】「市民がデザインするまち・多摩の創造」【3】「発信!未来へつなぐまち・多摩」を進めていくとしている。
定員拡大で待機児童対策
主な事業として「子育て・子育ちと次世代を担う子どもたちの豊かな学びの総合支援」に31億2906万円を計上。小規模保育事業の開始、幼稚園から認定こども園への移行、事業所内保育所の地域開放による定員拡大(48人)を実施し、保育園の待機児童対策等に取り組む。経済的な理由で学習塾に通うことが困難なひとり親家庭や生活困窮者の中学生・高校生を対象に学習支援事業を行う。
「高齢者見守り支援相談口」を設置
「市民の健康寿命の維持・増進等、地域における高齢者支援等の機能強化」には2億753万円を盛り込んだ。医療関係者や市民・学識経験者等で構成する「(仮称)健幸まちづくり推進協議会」を設置し、今後の取り組みの方向性の検証を実施。また「健幸クラウドシステム」を活用した医療・介護データ等の一元的な分析に取り組む他、地域包括支援センターの再編、機能強化を行う。加えて「高齢者見守り支援相談口」を永山地区にモデル設置する。
「災害に強いまちづくりの推進」として2億3723万円を計上。聖蹟桜ヶ丘駅周辺の河川浸水想定区域に想定浸水深を示す表示板を整備し、消防団装備に携帯用コンクリート等破壊器具、トランシーバーを配備する。
空き家調査実施
「ニュータウン再生の取り組み」には1億6096億円を盛り込んだ。住宅マスタープランの施策実施に向け市内の空き家状況の調査委託を行う他、「(仮称)住替え居住支援協議会準備会」を立ち上げる。
「公共施設の見直しと行動プログラムの取り組み」として2億6188万円を計上。今後の庁舎のあり方について学識経験者等で構成する「(仮称)多摩市役所庁舎のあり方検討委員会」の設置や、市立複合文化施設(パルテノン多摩)30年目大規模改修に向けた基本計画・基本設計業務委託等を実施する。
なお、この当初予算は市議会3月定例会で審議される。
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