多摩市議会は3月定例会予算審議委員会で、新年度予算案として市が計上していた「パルテノン多摩の大規模改修における基本計画・基本設計の業務委託費」を全会一致で可決。一方で、事業執行にあたっては財政上の見地から「予算の上限を強く意識し、総事業費について可能な限り削減を努力」「市民へ説明責任を果たす」などの履行を強く求める附帯決議とした。
市は、パルテノン多摩が2017年度でオープン30年を迎えるにあたり、経年劣化が顕著なことから、来年度から本格的な大規模改修に着手しようと新年度予算として「大規模改修における基本計画・基本設計の業務委託費」に2億1370万円を計上し、3月定例会に審議を図っていた。
しかし、議会の代表質問、一般質問で、改修にかかるとされる費用について質疑が集中。市は老朽化による改修費用を13年度に約39億5千万円と算出していたが、今回、基本設計や多摩中央公園内の駐車場も含む改修工事、建築資材の物価高騰分等を上乗せした費用を約58億4千万円とし、さらにはバリアフリー対応、公園側からのエントランス整備等々を含めた工事となると約71億8千万円〜81億8千万円になると報告した。
議会では、その費用について「建築費用が高すぎる」「資材が高騰している今ではなく、先送りにできないのか」「市民の声は反映されるのか」「財政がひっ迫している中でその費用をどう捻出するのか」といった声が相次いだ。それに対し、市は「老朽化はすぐに対応しなければいけないところまで来ており、万が一事故が起きた時には閉館の期間も長くなる上に、信用問題としてさらなる問題も起きる」「耐用年数を超えた部品等も多々あり、部分工事だけでもかなりの額になり、先送りした場合にトータルで考えても莫大な費用になる。資材が安くなる保障もない」と答弁。事業費については「大半を都市計画税や基金で充当できるので、市税の負担は少ない」とし、今後の計画については「専門家と市民を交えた基本計画策定委員会を構成し、その中で市民の声を反映していく」と説明を行った。
その結果、議会では基本計画等の予算案は採決したものの、執行にあたっては自治基本条例に掲げる市民参画と将来に過度な負債を残さないという財政上の見地から、【1】「都市計画税等多様な財源を活用し、市債などの後年度負担が過大にならぬよう財政計画に留意すること。当該改修予算の上限を強く意識し、総事業費についても可能な限り削減努力をすること」【2】「拙速に事業を進めることがないよう留意するとともに、多摩センター地域全体の更なる活性化につながるよう工夫し、市民へ説明責任を果たすこと」【3】「基本計画・設計にあたっては、利用者のみならず広く市民及び議会との情報共有、意見の反映に努めること」を履行するよう強く求めるという附帯決議とした。
市所管課では「早々に基本計画、技術支援、特定天井の調査における委託業務に取り掛かりたい。市民の声も聴きながら、進めていきたい」と話している。
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