特別支援学校「都立多摩桜の丘学園」(聖ヶ丘、山本優校長)の知的障害教育部門中学部の2年生がこのほど、地域貢献活動の一環として「桜ヶ丘公園西口」バス停留所に置くベンチを製作、設置した。このベンチは地域の「聖ヶ丘こども・おとしより見守り隊」(亜厂暲好(あかりてるよし)隊長)から「地域には高齢者が多く、バスを待つ時のためのベンチを作ってもらえないか」との依頼を受けて製作。完成したベンチに同隊は「お金で買えないかけがえのないものを作ってもらえて嬉しい」と喜んでいる。
同校は、知的障害・肢体不自由な子どもたちが通う特別支援学校で、小学部から高等部の他、在宅、病院内の訪問学級に加え、島田分教室があり、現在約355人が在籍。「子どもたち一人一人の人権を尊重し、発達・障害に応じた教育を推進するとともに、個性を伸長し、豊かな人間性や社会性を育み、地域の中で豊かに生きる子ども・児童を育成する」ことを教育目標に掲げる。同時に、地域貢献を教育の大きな柱に掲げており、近隣のひじり館(聖ヶ丘コミュニティセンター)や連光寺小学校の清掃活動等にも取り組んでいる。
受注式・納品式も
そうした中、昨年夏に、地域の独居高齢者のお見舞い等の訪問活動や子どもたちの見守り活動を行っている「聖ヶ丘こども・おとしより見守り隊」から、「日中、『桜ヶ丘公園西口』から永山駅に向かうバスが20分に1本くらいしかない。早めにバスに並ぶお年寄りたちのためにも学校でベンチを作ってもらうことができないか」と依頼を受けた。年度途中だったことや、木工作業を行う機会がないといった課題がありながらも「子どもたちが地域に役立つこととして実感できる活動が少ない。地域貢献できる良い機会」と快諾した。
昨年11月には、見守り隊の亜厂隊長らが学校を訪問。「受注式」を行い、子どもたちに直接製作を依頼。納期等が書かれた注文書が手渡された。年が明けてから製作を開始し、表面にざらつきや棘がでないように注意をしながら、ペンキで色を塗って仕上げ、2月中旬に高さ約40cm、横幅約1mの木製ベンチが完成。3月1日に、見守り隊の人たちを招いて納品式を行った後、市役所の検査を受け、18日に設置。使用が開始された。
「地域の財産」
同隊の内多久雄副隊長は「生徒たちのお蔭で立派なものができた。子どもたちの地元に何かしたいという思いで作ってもらったこのベンチは、お金で買えないかけがえのないもので地域の財産。本当に嬉しい」と声を弾ませた。
同校の原田勝副校長は「このバス停は利用する生徒も多く、地域の人たちもかなり多く使っているので、地域の役に立てて嬉しい。受注式や納品式など、直接子どもたちに声を掛けてもらい、つながることができて子どもたちも自信になったと思う。これからも地域のためにできることがあればやっていきたい」と、今後にも意欲をみせている。
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