多摩市内で2番目に古い歴史を持つ市立多摩第二小学校(佐島規校長)。開校当初から使われてきた校舎が老朽化のため取り壊しが決まり、このほど新校舎が完成。新校舎への引っ越しを前に、旧校舎へのお別れと感謝の気持ちを込めたイベントが7月16日と19日に、PTCA、学校それぞれが企画して盛大に行われた。
1892年に兆民尋常小学校として現在の地で開校した多摩第二小学校。1912年に兆民・向岡・処仁の3校が合併して設立された多摩村立尋常高等小学校の第二分教場となり、戦後、多摩村立第二分校に改名。63年に村立多摩第二小学校になり、71年の市制施行に伴って現在の市立多摩第二小学校となった。
今回取り壊されることになった旧校舎は、53年前に村立多摩第二小学校となった際に建てられた木造校舎と、61年に建てられた3階建ての鉄筋コンクリートの校舎。老朽化が進み、学級増に対し新たに教室を確保できないことなどから、校舎の建て替えが決定。市、教職員、地域とワークショップを重ねながら、計画が進められてきた。このほど、完成した新校舎は、もともと校庭だった場所に建ち、2学期から使用。旧校舎は今年度中に取り壊し、校庭になる予定だ。
そうした中、昨年、児童から旧校舎のお別れイベントをやりたいという意見が挙がったことから、ペんてる(株)とキヤノンマーケティングジャパン(株)が建て替えのために取り壊される校舎の最後の思い出づくりを支援する「校舎の思い出プロジェクト」に参加。お別れイベントを実施することとなった。
PTCAが企画したイベントでは、同校の歴史にちなんだクイズラリーや、旧校舎へのペイントを実施した他、在校生や卒業生、地域の人たちから思い出メッセージを募集するなど、盛り上がりを見せた。
また学校主催の「さよなら校舎集会」では、各学年で「ありがとうの花束を」「学校の日常」などテーマを決めて7月から取り組んでいた旧校舎での壁画制作の取り組みなどを発表。集会委員会によるクイズの他、学校オリジナルの「感謝の歌」で別れを惜しんだ。旧校舎に描かれたペイントには、絵と共に「53年間お疲れ様」「今までありがとう」など児童のメッセージが添えられており、「新校舎に移ってもこの校舎での思い出は忘れない」「新校舎も毎日隅々まで掃除して大事に使いたい」といった声も聞かれた。
佐島校長は「校舎の引っ越し、取り壊しに立ち会う機会はそうそうない。この取り組みを通じて、お世話になった校舎への感謝の気持ちなど心を育む良い機会になった。新校舎に移っても充実した生活を送ってもらいたい」と話している。
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