台風や大雨の影響で風水害が全国で頻発している昨今。多摩市ではこのほど、多摩市地域防災計画・風水害計画の一部を改訂した。今回の改訂で、多摩川水系(多摩川・浅川・大栗川)の浸水想定区域をこれまでの5段階表記から6段階表記に変更。土砂災害警戒区域等を指定し、洪水ハザードマップに反映させるなどして避難体制等の充実、強化を図っていく意向だ。
近年、洪水や内水(公共の水域等に雨水を配水できないことによる出水)、高潮により、想定を超える浸水被害が相次いでいることから、国土交通省は昨年5月に「水防法等の一部を改正する法律」を交付し、7月に一部施行した。この改正は、想定最大規模の降雨によって堤防その他の施設の決壊または溢流が想定される地点を相当数選定し、最大規模の洪水に係る区域を拡充して公表することで、避難体制等の充実・強化を図るというものだ。
それを受けて、多摩市では、昨年から市民へパブリックコメントを募集し、都や地域防災会議等と共に多摩市地域防災計画・風水害計画の改訂に向けて、検討を重ねてきた。
今回の改訂では、2日間で588㎜の降雨量があった場合に最大限で発生する被害区域を想定し、これまで5段階表記で示していた区域を6段階表記に変更。土砂災害警戒区域等を新たに指定することとなった。土砂災害警戒区域については、今後東京都で基礎調査を始め、2019年度までに公表する予定だという。
市防災安全課では「新たに示した浸水想定区域を表記した洪水ハザードマップを今年度中に作成し、市民へ配布していきたい。土砂災害警戒区域についても、今後指定され次第、ハザードマップに反映させ、いざという時の備えに活かしてもらえれば」と話している。
市制初の避難勧告
8月22日に、関東等を襲った台風9号は、多摩市にも爪痕を残した。
市内での降雨量は1時間最大57㎜。大栗川の報恩橋で氾濫危険水位の2・5mを超え、2・75mに達したことから、多摩市は市制始まって以来、初めて避難勧告を発令した。発令されたのは、関戸3丁目一帯、連光寺1丁目1番地で687世帯1521人が対象となり、96人が連光寺小学校、市立総合体育館に避難した。また、連光寺のマンションで4世帯が床上浸水、1世帯が床下浸水の被害もあったという。
市では、防災行政無線やツイッター、エリアメール、HPなどで情報を発信し、対応を呼びかけていたが、市防災安全課は「エリアメールを出すまでに少しタイムロスがあった。今後、関係機関と連携を取りながら、スムーズに情報を発信できるように調整していきたい」と話している。
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