施設の老朽化等により、現在大規模改修計画が進められている「パルテノン多摩(市立複合文化施設)」。多摩市は10月18日、21日、29日、永山公民館などで市民向けの説明会を開催し、施設の劣化状況や財源対策、改修の方向性などの説明を行い、大規模改修への理解を求めた。
来年開設30年を迎えるパルテノン多摩は、現在、施設の老朽化等による大規模改修計画を進めており、その改修費用として老朽化対応に47・6億円、安全性向上・バリアフリー化に11・9億円、利便性・機能性向上に20・5億円の計80億円を試算しているという。
そうした中で、市民からは「80億円かける必要があるのか」「なぜ改修が今なのか」といった声が改めて挙がっていることから、市は現状を知ってもらおうと今回説明会を実施した。
説明会では、市の担当職員から、施設の主要部品が耐用年数を迎えていること、設備機器の部品が生産中止になっているものが多いことなど劣化状況について説明が行われ、改修の必要性に言及した。
また改修費用については、国の都市計画運用指針が改訂されたことを受けて、これまで都市計画事業認可等を受けている施設の新設にしか使えなかった都市計画税が改修にも使えるようになったと報告。そこで積み立てていた都市計画基金を初期費用に充て、毎年の都市計画税でローンとして償還していくことで一般財源に頼ることなく改修が行えることなどが説明された。
今後の改修の方向性については、バリアフリー化、演劇や映画等にも適応するよう大ホールを改修し利用率を向上させる、2階ロビーとホワイエを一体化して日常的に使えるスペースにする、4階会議室をオープンスペース化し多目的に活用、公園との回遊性を高めるなどを現在策定委員会で話し合っていると報告した。
「一緒に議論を重ねて」
会場からは「建物が立派になってもどう使うかが大事」などといった意見が寄せられ「利用者から市民の活動の状況などを聴いており、今後どういう使い方をしていくか策定委員会で議論していきたい」と答えた。
阿部裕行多摩市長は「パルテノンを含めた公共ホールは、市民の力で使い倒していくように考え方を変えていかないと難しい。お金をいただいて施設維持経費を回収するだけでなく、改修にかけた費用が多摩市全域を幸せに、そして医療費、介護費が減って、多摩に住むことが付加価値となるような拠点にしていきたい。皆さんと一緒に議論を重ねながら、前へ進めていきたい」と改修について理解を求めた。
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