多摩版 掲載号:2017年1月1日号

新春インタビュー

「健幸都市(けんこうとし)」形にする年に 社会

阿部市長、抱負を語る

インタビューに答える阿部市長
インタビューに答える阿部市長

多摩センターエリアの賑わい・活性化を


 2017年の幕開けにあたり本紙では、阿部裕行多摩市長に新春インタビューを行った。阿部市長は、今年は「健幸都市(スマートウェルネスシティ)・多摩の創造」を形にし、都市再生整備計画についても進めていきたいと率直に語った(聞き手/本紙・中島崇雄)。

 ――まずは昨年を振り返っての感想をお願いします。

 「昨年を大きく振りかえる中で、3つお話ししますと、まず嬉しかったことは、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックに出場し、活躍された我が多摩市ゆかりの選手の皆さんに多摩市栄誉賞を差し上げることができたことです。シンクロナイズドスイミングの小俣夏乃選手は銅メダルを獲得し、新体操の畠山愛理選手、車いすマラソンの土田和歌子選手はロンドンに引き続き連続して入賞を果たしました。これは快挙です。

 また、昨年4月から健幸まちづくりを推進しようということで、安里賀奈子さんに健幸まちづくり政策監として厚生労働省から来ていただき、健幸まちづくりを大きく前進させることができました。具体的には、健幸まちづくり推進協議会を設置し、今年4月には健幸都市宣言をお披露目できるようになるかと思います。実際には、4月以降にイベントを含めて市民の皆さんに知っていただけるようにしたいと思っていますが、ポピュレーションアプローチという体づくりや歩くことからなどの部分と、ハイリスクアプローチという多摩市版地域包括ケア等のそれぞれの枠組みがある程度方向を含めて見えてきたのではないかと思います。

 もうひとつは災害です。昨年は、熊本や鳥取で大きな地震がありました。一方で、多摩市でも河川が氾濫する恐れがあるということで、台風9号が来た時に大栗川で市制始まって以来、初めて避難勧告を出すことになりました。今までは机上の訓練だけだったのですが、雨の降る中、初めての避難勧告を関戸3丁目、連光寺1丁目にお住いの方に発令し、96名の皆さんに実際に総合体育館と連光寺小学校に避難していただくということになりました。これから先、そんなに頻繁にあってもらっては困るのですが、地球温暖化、線状降水帯などという今までにあまり耳慣れない現象によって連続して雨が降るということに見舞われました。そうしたことに備えをしていかなければいけないと思っています」 

 ――昨年は、パルテノン多摩の大規模改修がクローズアップされました。現在進行中の「多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラム」については市民の関心の高いところですが。

 「『多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラム』については、平成25年に概要を皆さんにお知らせしてから多くのご意見をいただきました。地域の図書館や複合施設を含めて、立ち止まるところは立ち止まらせていただいて、コミュニティセンター内にある図書館などについてはこれから先も継続して運営できるような形でまず市民の皆さんとお話をしていきます。パルテノン多摩、図書館本館などについてもこの一年間いろいろな議論を重ねてきました。パルテノン多摩については、基本構想を練っていくために市民の皆さんに入っていただいて委員会を立ち上げ、市民説明会やシンポジウムを開催するなどして、市民の皆さんのご理解をいただくようにしてきております。

 ただ、やはりそうは言っても総額80億円かかる大プロジェクトであって、人口約14万7千人の単年度の予算規模500億円前後という自治体の中では、市民の皆さんからご心配され、大丈夫なのかという声をいっぱいいただいております。私どもとしては改修をする以上、バリアフリーであったり、賑わいの拠点としていくためにも、単にイベントの時に来ていただく施設ではなく、常日頃から賑やかに子どもたちや若者たちの声が響きわたり、そこに行ってみたいと思っていただける施設にしていかなければと思っています。また、経費のことについては、今回、国土交通省にも認めていただき、従来、都市計画決定された施設のリニューアルに使えなかった都市計画税を充てることができる見通しとなりました。これは全国的には珍しいケースでもあり、保育園の待機児童対策や、先ほど申し上げた地域包括ケアなどの一般財源とはまったく別の都市計画税で改修できるという方向で進めることができます。ご理解をいただきたいと思います。

 図書館については、昨年末に、多摩市の図書館本館がある旧西落合中学校の用地と、桜美林学園がお持ちの多摩アカデミーヒルズの中の用地について、桜美林学園との間で交換に向けた確認書を交わすことができました。多摩市とニュータウン全域、多摩センターの活性化に資することができるように、また特に未来を担うこどもたちと若い人たちが集まることができる『知の地域創造センター』のような、デジタル時代に対応し地域の課題を解決していける図書館を市民の皆さんと一緒に作っていきたいと思っております」

 ――新年度の予算方針、重点施策についてお聞かせください。

 「昨年も申し上げたことですが、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる『2025年問題』において75歳以上の人口の平均が国よりも高い18・9%になる見通しです。そうしたことを踏まえて『健幸都市(スマートウェルネスシティ)・多摩の創造』を形にしていく、それが29年度と思っています。その29年度は、パルテノン多摩の大規模改修をはじめ、図書館本館の整備、多摩中央公園の改修に向けての取り組みを本格的に進めていく年であります。都市再生整備計画を含めて多摩センターエリアの賑わいと活性化を加速化させる必要があると思います」

街の変化見据え事業展開を環境問題の対応にも言及

 「また、今後乗り越えなければいけない課題として、少子化・高齢化および、ライフスタイルの多様化によって市民生活や街は大きく変化変容をしており、街の変化に気を配りニーズを的確に把握した事業展開を心がける必要があります。加えて、市の取り組みをあらゆる世代、多くの皆さんに伝える工夫と努力を継続し、新年度予算編成では全職員の力を引き出して全庁一丸となって取り組む必要があります。

 百貨店が事業を停止する、あるいはスマートフォンを含めSNSが進む中で情報を共有する仕組みづくり、若い人たちをはじめ、車に依拠したライフスタイルから車に頼らない生活へなど、いろいろな街の変化を職員自身がしっかり見据え、多摩の街づくりを進めていく必要があると思っております。具体的には『健幸都市(スマートウェルネスシティ)・多摩の創造』『市民がデザインするまち・多摩の創造』『発信!未来へつなぐまち・多摩』という3つの柱をもとに、それぞれの課題に沿って取り組みを進めていきたいと思っています」

地域コミュニティを大切にしていく

 ――最後になりますが、市民の皆さんへメッセージをお願いします。

 「昨年、アメリカでは大統領選挙があり、1月20日付でトランプ新大統領が就任されます。今年は、欧州でも政治が大きく揺れ動き、全世界を覆っている貧困と格差、あるいは人種・宗教など、いろいろな意味でこれまでの戦後70年の価値観が問われる時代であると思います。国内でも、少子化、超高齢社会の中で、医療・介護・福祉などの仕組みや働き方など、転換を迫られる時代に入ってきています。

 東京都においても、小池新都知事がこれまでの枠にとらわれない改革を進めておられ、都議会での新年度の予算編成の中で、こういう新しい取り組みもあるのかという感想をもたれる年を迎えるかもしれません。 そして、日本にとっての課題は、人口減少社会の中で物質的な豊かさから精神的な豊かさへと質の転換が迫られていることと、『レガシィ』です。これもオリンピックでよく使われる言葉ですが、私たちが次の世代にどういう遺産を残していくことができるのか、そうしたことが国内外にわたって問われる年になると思います。さらに地球温暖化によりコントロールが効かなくなっている地球環境への対応です。東京でも今冬、再び大雪降雪への備えが必要ですし、線状降水帯など集中豪雨への警戒、夏には猛暑、さらには台風の頻繁な襲来も考えられます。蚊の大量発生や温暖化に伴う病原菌の新たな発生もあるかもしれません。

 最後に、日頃から顔の見える関係を築き、地域コミュニティを大切にしていくことが一番大事だと思っています。『みんなが笑顔 いのち賑わうまち 多摩』をめざし、誰もが健やかに幸せに生きられる『健幸都市(スマートウェルネスシティ)・多摩の創造』を実現していきましょう。改めて市民の皆さんが主役のまちであり、市民の皆さんへの丁寧な説明と対話を大事に市政運営にあたっていきたいと思っています。本年もよろしくお願いいたします」

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