多摩市は2月9日、2017年度の当初予算案を発表した。団塊の世代が後期高齢者となる「2025年問題」を見据え、「健幸都市(スマートウェルネスシティ)・多摩の創造」に向けた取り組みを進めるための経費などを中心に一般会計予算案として554億8千万円を計上。特別会計を合わせると879億7898万円となり、過去最大だった昨年を上回る予算額となった。
第五次多摩市総合計画第2期基本計画4年間の3年目となる2017年度。2月9日に行われた記者会見で阿部裕行多摩市長は「健幸都市(スマートウェルネスシティ)をめざし、2025年問題を見据えたものになる。活力ある魅力的なまち、市民ひとりひとりが幸せを実感できるまちを目指して、着実に進めていてくための編成となった」と発表した。
一般会計は、前年から10億1千万円増の554億8千万円となり、1996年度に過去最大となった556億6700万円に次ぐ予算額を計上。また特別会計では、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療といった社会保障費がそれぞれ前年よりも増額され(表参照)、一般・特別会計を含めると879億7898万円となり、過去最大だった昨年度を更新した。
重点的な取り組みとして【1】「健幸都市(スマートウェルネスシティ)・多摩の創造」では、今年度中に策定予定の「健幸まちづくり基本方針」に基づく健幸都市の推進、【2】「市民がデザインするまち・多摩の創造」では、市民との対話・協働、情報共有の工夫、産学など様々な地域資源との連携強化、【3】「発信!未来へつなぐまち・多摩」では、東京2020オリンピック・パラリンピックを契機としたレガシー創出に向けた取り組み、多摩市の魅力を発信するシティセールスを推進していくとしている。
「(仮称)ライフウェルネス検定」実施へ
主な事業では、「学童クラブの待機児童対策」として1億4225万円を計上。(仮称)北諏訪小学童クラブ第二を整備し、17年度から新たに(仮称)第一小学童クラブ第三、(仮称)第二小学童クラブ第二の運営を開始する。
「市民の健康寿命の維持・推進等の機能強化」には4578万円を盛り込んだ。老いを迎えるにあたり、知っておくと安心につながる知識の習得に向けた「(仮称)ライフウェルネス検定」を実施する他、ノルディックウォーキングのコース監修、コースマップ作成等を実施。生活習慣病予防推進へ、現行の胃がん検診に50歳以上の市民を対象に指定医療機関で実施する胃内視鏡検査を追加する。
「災害に強いまちづくりの推進」として、防災マップ・洪水ハザードマップの更新と全戸配布等に1063万円を盛り込んだ。
「ニュータウン再生の取り組み」には1840万円を計上。多摩市ニュータウン再生推進会議の運営、諏訪・永山地区まちづくり計画を策定する他、「多摩市第三次住宅マスタープラン」の施策のひとつである「住替え・居住支援協議会」を設立し、居住支援を行う。
パルテ改修費は含まず
「まちの魅力発信の推進」として、聖蹟桜ヶ丘の観光PR動画の作成や、日本一の遊歩道の周知とガイドツアーの実施等に1470万円を盛り込んだ。
「公共施設の見直しと行動プログラムの取り組み」では、新たな図書館本館の再整備を目指し図書館本館再構築基本構想をもとに基本計画の策定へ784万円を計上。パルテノン多摩の改修については、市議会の「パルテノン多摩改修特別委員会」で審議されているため、当初予算案に計上されていない。今後の審議等をふまえ、迅速に対応していくという。
なお、同予算案は市議会3月定例会で審議される。
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