多摩市では現在、「健幸都市(スマートウェルネスシティ)・多摩の創造」を掲げ、身体面での健康だけでなく、誰もが幸せを実感できるまちを目指そうと、その取り組みを進めている。3月31日には市民の行動指針となる「多摩市健幸都市宣言」を発表した。本紙4月20日号に続き、安里賀奈子健幸まちづくり政策監に、多摩市の今後の取り組みについて聞いた。
――健幸都市の実現へ向けて、今後の多摩市の具体的な取り組みについて教えてください。
「有識者で構成された『健幸まちづくり推進協議会』から3月に事業の検討報告書をいただきました。その中で7つのプロジェクトの提案をいただき、現在構想中ではありますが『多摩市に虹を架けよう大作戦』というタイトルをつけて、そのプロジェクトを具体化しようと思っています。
一つ目は『天の岩戸作戦』です。これは外に出て『まち歩き』をしようというもので、関連して『健幸マーク』を作ろうと今動いています。様々な団体と連携して外に出掛けたくなるようなイベントなど組んでいけたらと考えていますし、健幸マークは様々な場所で使ってもらって、それを見た人が『健幸都市宣言』を見つけて、自分も心掛けようと思ってもらう良い循環ができたらとも思います。
『多摩市満喫プロジェクト』も構想中です。これは、多摩のまちは、ニュータウンの綺麗な街並みや、アニメ関係、文化財など恵まれた環境があるので、それらを活用して散歩イベントを組んだりして楽しもうというものです。ウォーキングイベントも多くあるので『ぶらてくCity多摩』と名付け共通ロゴで、歩くのが好きな人に発信していけたらと思っています。山坂が多い多摩市はポールを使って歩く『ノルディックウォーキング』に適しているということで、市内にモデルコースをつくって、秋以降のイベント実施に向けて企画を練っているところです。
次は年代別で『こどもスマイルプロジェクト』です。子育て環境が良い多摩市は、広い土地があり、それを大切にしながら充実させて、市内外に発信して若い世代を呼び込もうというのが狙いです。
『”大人の”プロジェクト』は、市内の企業に呼び掛けて健康企業経営やイクボス宣言などを推進していこうというものです。秋以降になると思いますが、健康のことや親の介護といったライフプランニングなどの情報をまとめ、今後を考えるきっかけづくりとして『40歳ドリル』という情報誌を作り、40歳の方全員に配布しようと考えています。
次はリタイア前後世代向けの『人生の彩りUPプロジェクト』です。長い高齢期に、仕事がなくなった後を楽しむための嗜好を知っておかないといけないと思います。ボランティアや地域の何かに参加したり、地域活動支援に重点を置いて、地域の助け合いや地域の課題を話し合うなど、そういうところにどう人を呼び込むかを考えていきたいか検討しています。
彩りUPをしたら次は『今を生きるプロジェクト』です。人生を輝かせるためには死生観を考える必要があると思います。準備しなければいけないことなど明確にすることで死への不安が減り、準備することで介護予防につながっていくと思います。その中で考えているのが『ライフウェルネス検定』です。認知症や介護、医療、フレイル予防、住まいの整え方など、健康のコツや人生を健康で幸せに生きる知恵などを検定という形で学んでもらうというもので、今年度中の実施を検討中しています。
最後は『つながる・つなげるプロジェクト』です。現在『多摩市版地域包括ケアシステム』の構築に向けて動いています。行政の相談窓口が多くありますが、課を横断的につなぎオール多摩市で相談事やその背景にある問題に対応しようという取り組みをしっかりやっていこうと思っています。ケースによっては町内で連携を取り合ったりしていると思いますが、聞きもれがないか様式をつくるなど、ルール化はまだできてないので、今年度に整理していけたらと思っています」
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