自分がお薦めする本を紹介し合い、聴衆がどの本を一番読みたくなったかを決める「ビブリオバトル」。各府県と首都圏の中学生たちが参加する「中学選抜ビブリオバトル東京大会」(活字文化推進会議主催)が3月29日、青山学院大学(渋谷区)で開催され、市立青陵中学校3年の阿部涼夏さん(14)が3位に輝いた。
全国で広がりを見せている「ビブリオバトル」。これまで高校生の全国大会は行われていたが、中学生の全国規模の大会は今回が初。その同大会は、大阪、大分、和歌山、山梨などの中学生大会優勝者と、首都圏の中学生たち27人が参加して行われた。
阿部さんは、1月に行われた校内大会で優勝し、同大会への参加を応募したところ、出場が決まった。バスケットボール部に所属し、本を読むのが好きだという阿部さん。校内大会が開かれることを知り、近所の本屋に足を運んだのが全国大会への第一歩だった。そこで目にしたのが『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち。』(五百田達成著)だった。「表紙がカラフルで題名にも魅かれて。読んでみると、自分も3姉妹の長女なので結構あっているなと思うことがたくさんあって、誰にでも薦められるかなと思ってこの本にしました」
ユニークな手法で性格分析について書かれたこの本を校内大会で紹介し、圧倒的な支持を得て優勝。「校内大会で優勝したことが嬉しかった。全国大会に出ることができると聞いて自分の経験のプラスになるから頑張ろうと思った」と振り返る。
全国大会には、同校の図書館・田村瑞穂司書からアドバイスを受け、学校や自宅で練習を重ねて臨んだ。出場者が6グループに分かれて予選を行い、1位に選ばれた生徒が決勝に進出でできる中で、阿部さんはその予選を突破して、決勝に進出した。「予選では5分の制限時間を意識しすぎてちょっと失敗した。決勝では聴衆の目を見ながら、時間を気にせず思いをしっかり伝えようと思った。それができたと思う」と話すように、会場にいる聴衆も巻き込んで堂々としたプレゼンを披露。結果は、2位に惜しくも3票届かなかったものの、優秀賞となる3位に輝いた。
阿部さんは「まさか3位になれると思っていなかったので嬉しいけど、3票差だったのは悔しい。緊張したけど、楽しみながら発表できた。この経験を今後活かしていきたい」と笑顔で今後の目標を語った。
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