小田急電鉄(東京都新宿区・星野晃司社長)はこのほど、来年3月からの新ダイヤを発表した。これは、代々木上原―登戸間の上下線の線路を2本にする「複々線」の完成後を見込んだ改正で、新ダイヤはそのメリットが反映されたものになる。
複々線化は各駅停車と急行が別々の線路を走れるようにすることで、ラッシュ時などに発生していた通過待ちや減速運転を解消するのが目的。現在、世田谷代田から東北沢までの1・6キロ区間で工事が進められており、完成後は代々木上原―登戸間11・7キロが複々線化されるものだ。
新ダイヤ発表の会見で星野社長は「遅い、混んでいると言われてきた小田急線のイメージを一新させる。詰まり解消で時間短縮も図る」と強調。平日朝の通勤時間帯に列車を増発させるなどで、やや圧迫感があるとされる混雑率192%が、新聞や雑誌を楽な姿勢で読める150%程度まで緩和される見通しという。
多摩線にもメリット
新ダイヤにより、多摩線の通勤も変わる。まず平日朝。多摩線から新宿直通の「通勤急行」「急行」が13本新設される。これにより、例えば小田急多摩センターから新宿まで、最速36分で着くほか、7時台のラッシュピークでも乗車時間40分での移動が可能になる。
また、始発列車も充実され、唐木田駅の始発が2本増えて7本になるほか、小田急多摩センター駅の始発が新たに6本設定されることになった。
平日の夕夜間の通勤時間帯に関しては、新宿発の「快速急行」を28本増やして全体で35本とする中で、多摩線への直通列車、「快速急行」を新たに11本運転する。
このほか、平日・土休日の日中の都心方面のアクセスも向上し、多摩線から新宿への「急行」を新設。毎時上下3本ずつ設けて、新宿まで乗り換えなしに利用することができ、このうち上りのみ、新百合ヶ丘で「快速急行」に接続、小田急多摩センターから新宿までの所要時間が33分に短縮できる。
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