3月14日（月）〜15日（火） 史上初の計画停電 神奈川県大和市 待機
計画停電の影響で臨時休業が相次ぎ 閑散とした大和駅前【3月14日】
福祉・医療・教育で停電に備え
政府の了承を受けて東京電力が14日、実施に踏み切った史上初の計画停電に市内が騒然とした。計画停電は13日夜に発表され、14日朝には私鉄各社が始発から運休したが、この日、大和市内での停電はなかった。【3月15日起稿】
停電は限定的
福 祉
■東京電力が翌朝からの計画停電を発表した13日夜、神奈川県の大和保健福祉事務所では、特定難病により人工呼吸器やたんの吸引器などの医療機器を利用する人への対応をはじめた。
同事務所によると大和市内には、特定難病によりこれらの医療機器を使用している患者が１１３６人いる。
県は主治医などがいる医療機関などを通じて計画停電に備えた外部バッテリーの充電指導などを行い、在宅療養でバッテリーに不備がある場合には、一時的に入院できるよう医療機関に対応を求めた。
■市介護保険課では13日夜から14日にかけて、市内に98カ所ある介護サービス事務所に電話で計画停電実施を案内。医療機器の使用者にも電源確保の注意を呼びかけるよう重ねて周知した。
また、計画停電により、入浴介助の予定が立てられないなど、すでに影響が出始めている。
■大和市障がい福祉課では、平成16年から聴覚障がい者を対象にした「Ｅメールによる１１９番通報」を運用している。これは大和市内在住・在勤者で、聴覚、言語に不自由があり、音声による１１９番通報が困難な人を対象にしたサービス。
携帯電話やパソコンなどＥメールを送信できることが条件となる。利用には対象者の登録が必要であること、また周知も行われていないため、今年３月14日現在での登録者は17人。
同課によると市内には約３５０人の聴覚障がい者がいるため、登録を呼びかけている。
問い合わせは健康福祉部障がい福祉課／【電話】０４６（２６０）５６６５へ。
■大和市消防本部では、聴覚、言語に不自由な人のためにＦＡＸによる１１９番を受け付けている。
必要な内容を簡単に記入できる送信用紙もインターネット上からダウンロードが可能。問い合わせは消防本部指令課指令担当／【電話】０４６（２６１）１１１９へ。ＦＡＸの送信は【FAX】０４６（２６４）８３２７まで。
医 療
■市内の医療機関では、使用器具の大半が電力を必要としているため、自家発電設備をもたない診療所を中心に停電時の準備や対応に追われている。
電子カルテへの影響を危惧するのは、大和市医師会の大橋俊文会長。電子カルテを採用している場合は、停電時に受診記録をたどるのが困難になり、薬の処方などにも影響が出る。
大橋会長は「手書きカルテや触診などを通じて、できる範囲での通常診療を行っていく。自家発電施設を持つ医療機関との連携をとりながら対応していきたい」と話している。
■内科、小児科の平日夜間、休日の一次救急医療を提供する鶴間の大和市地域医療センターでは、計画停電時には自家発電に切り替えて、通常通り診療を行うという。健康に関する不安は、市が行う「24時間健康相談」（【電話】０１２０・２４４・８１０）でも随時対応する。
教 育
■計画停電による影響を回避するため14日は市内の小、中、高校全校が休校した。15日は公立学校のみ半日で児童生徒を下校させ、私立学校は休校した。
■市教育委員会は15日、食材の遅配や停電時の調理停止などを考慮して、３月中に予定している公立学校での給食を全て休止することを決めた。
市保健給食課では「新年度からは状況を見て検討したい」と話している。
■ 公立小中学校に関する生徒や保護者への連絡は、学校の連絡網や大和市の「ＰＳメール」を通じて周知していくことにしている。ＰＳメールは、防災ほか７項目 の情報を登録者に配信する行政サービス。登録はyamato@psmail.jpに空メールを送信し、受信した受付メールに従って手続きする。 【3月15日起稿】
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