▽師走も半ばを過ぎた。大和市議会では納めの定例会が開会中で、今日16日まで一般質問が行われている。思えば第1回定例会の最終日、3月11日午後の本会議中に東日本大震災が発生した。任期最後となったこの日の本会議は不測の休憩を挟み、引退する議員が登壇してあいさつした。65歳から4期16年間務め引退した松川清さんは「油断することなく、心に信念をもって頑張ってほしい」と後輩議員にエールを送った。
▽そもそも議員には、議場という公の場で行政運営をチェックし、必要とあらば条例を制定して行政に履行させることができる権限がある。こうした本分、つまり役割を踏まえたうえで市民要望に耳を傾け、時として行政との調整役も担う。こうした地道な仕事は「どぶ板」とも呼ばれる。その議員が属するのが市議会だが、その運営スタイルが市民本位を意識しているかどうか疑問だ。
▽議会事務を担う事務局の職員は市長部局からの人事で配置されている。ゆえに事務局員はいずれ市長部局に戻る。定例会の一般質問では事前に各議員の質問内容が市民に公表されるが、市民がそれを知るには通告から1週間程度を要する。この時間はもっぱら行政と議員の調整に費やされ、シナリオがほぼ固まった段階で私たち市民に公表される。ほんの一例ではあるが、議会は結果としてこれらを良としてきた。
▽43人が立候補した今年5月の市議選で有権者は14人の新顔を議会に送った。なかには「議会改革」を公約に掲げて当選した若手が多くいた。さらにはベテランの中にも議会機能の充実と強化に触れた議員もいる。ここで松川さんの言葉を借りると、こうした議員には「心に信念をもって」議会を「開く」努力を継続し、結果を出して頂きたい。
▽2012年の元旦号で本紙は従来の市長対談に加え議長対談を初めて企画した。「有権者が選んだのは市長だけじゃないよ」という読者の声を反映したもので二元代表制を再考するきっかけになった。その成熟度によって市民生活の質は良くも悪くもなり、ひいては地域間格差を生む要素にもなる。大和市議会にはこうした議論を深めるためにも、積極的に市民に向けて議会を開く「議会開放」に取り組んでいただきたい。
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