4月29日に下和田で開かれる「やまとふれあいの里レンゲまつり」の実行委員長 石井 敏英さん 下和田在住 68歳
土と花、人とふれあう
○…200年以上続く農家の長男として昭和19年に生まれる。幼い頃から農作業の手伝いは当たり前。渋谷小学校入学後は、収穫した野菜を長後駅近くの市場へ配達するのが朝の日課だった。「同じ世襲だったら歌舞伎役者の家に生まれたかったよ」と笑う。中学卒業後は農業を専門に学ぶ学校に通い、民間に就職することなく家業を継いだ。新たに養豚を始めるなど、朝から晩まで休み無く働き続けたという。農業のかたわら、2000年には下和田に特別養護老人ホーム「和喜園」を開設。平日は事務仕事、週末になると畑に出る。どちらも大切な仕事だが、「室内に居続けると土が恋しくなる」とか。
○…大和市随一の広さを誇る耕作田が会場の「やまとふれあいの里レンゲまつり」には、今年から実行委員長として参加する。春にレンゲの花を咲かせるために、秋に150kg近い種を会場の田んぼにまく。「祭りの名前に恥じないよう、花のある風景を残していくのが私達の役目」と微笑むが、最近はレンゲの花が咲きにくくなっているという。開花状況を確認するために田んぼに足を運ぶこともしばしばだという。
○…学生時代は野球部。30歳を過ぎてからはソフトボールを始め、市内選抜の捕手を任されたことも。スポーツと農業で鍛えた身体は70歳目前の今でも健康そのもの。目下の悩みは他でもない、独身を謳歌している長男と次男。「長男には農家を、次男には施設を継いでもらいたいけどね。今になって親の苦悩が分かった」と頭をかく。
○…23年続く催しを支える実行委員会は地元の農家が担う。農業と同様に後継者不足が深刻だ。若い世代の参加を促す一方で、地域にある、いちょう団地で2割を占める外国人との交流も模索する。「人と人が顔を合わせて話をすることで生まれるコミュニティがある。イベントを通じて昔ながらのつながりのある街にしていきたいね」
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