日産自動車の元副社長で2009年から大和市教育委員会委員を務める森山寛委員長(72)が17日、同委員を辞職する意向を明かした。大和市が進める大和駅前再開発ビルへの複合施設整備への反対を理由にあげている。
森山氏の辞職問題が表面化したのは、12月17日の市議会本会議場。「教育委員長が辞意をもらしているとの情報」について確認を求めた新政クラブの井上貢氏への答弁で、田中博教育部長が「現在のところ本人からの辞職願は受け取っていない」と、明言を避けたことが発端となった。
滝澤正教育長は本会議後の本紙の取材に応じず口を閉ざしたが、森山氏は同日夜の取材に「11月21日の定例会の後に委員全員にお伝えした」と述べた。
辞職理由について同氏は、大和市が進める大和駅前再開発ビルへの複合施設計画を理由にあげ「この時期に100億円以上の税金を使って進めることにはとても賛成できない。大変不本意だがこのまま反対の立場をとりながら委員を続けるとほかの委員や職員にも迷惑がかかってしまう」と述べている。
森山氏は日産自動車で国内営業担当の副社長などを歴任。2005年に退社した後は市内の自治会で役員を務めていたが、大木市長が08年に大和市総合計画審議会委員(任期2年)、09年には教育委員会委員(任期4年)に起用した。
市は今年7月に3期目の総合計画審議委員を委嘱したが、11月に同氏を解任。所管する政策部の金子勝部長は「教育委員長に就任したため双方合意のもとで解任した」と説明している。
森山氏は9月27日と10月25日に開かれた教育委員会定例会と、10月30日の総合計画審議会で「第4地区に100億円以上の費用を注ぎ込むことについてきちんと議論がなされていない」などと批判していた。
森山氏は19日に辞職願を提出。26日の教育委員会定例会で諮られ、市長が同意して辞職となる予定。 教育委員会は教育行政の運営方針を決定する機関。常勤の教育長と非常勤の委員4人の計5人で構成される。いずれも市長が議会の同意を得て任命し委員長は互選。森山氏は今年10月に委員長に就任し、委員任期は来年9月までだった。
市が再開発ビルに整備する予定施設のうち図書館と学習センターは教育委員会所管の社会教育施設で、計画推進にあたっては同委員会での審議も必要となる。
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