毛が三本 やまとあちこち【2】
平日午後 1時。この日も大和市立図書館は満員御礼。繁盛していた。貸出返却の窓口業務は特に忙しそうだ。しかし、それだけではないもう一つの「図書館」の役割を見たことがある。 「図書館は,まさに知のインフラの装置です」と語るのは岩手県立図書館の司書の方。「東日本大震災で管内の陸前高田市立図書館はスタッフ全員行方不明、または死亡。保存していた市の資料をことごとく津波で失ってしまい、(2012年1月)未だに行政機能は半身不随状態です」と。また、同被災地の宮城県東松島市立図書館では現在、ICT(情報通信技術)地域の絆保存プロジェクト「東日本大震災を語り継ぐ」体験談を収集中だ。スタッフがお茶会や市民センターなどに行き、被災者の話を録画し続けている。
なるほど。住む街を知り、この街に住む自らを知ろうとするとき、必要な材料を揃えているところが図書館なんだ。
画家ゴーギャンの作品にこんなタイトルの絵がある。「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」。その確認の求めに、確かに応える図書館の存在。大和の「地域(=郷土)の知の集積所」として繁盛する大和市立図書館でありますように。
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