昨年12月の衆議院総選挙で議席を失った民主党前衆議院議員の橘秀徳さん(44)=写真が再起に向けて歩き続けている。
2009年夏の政権交代選挙で自民党の甘利明氏を破り小選挙区で初当選した。その勢いも今は昔だ。 今年7月の参議院議員選挙でも敗北した民主党では今年9月、次期衆院選挙の小選挙区公認候補者の選定作業があった。参院選まで小選挙区の総支部長だった143人のうち97人が公認申請を提出。10月30日に34人の公認内定者が発表されたが、そこに橘さんの名前はなかった。
「逆風でも議席」
「現在は総支部長代行です。落選直後は党に責任を転嫁していましたがそれは間違い。自分自身に強さがなかった。甘利先生は2009年の大逆風でも議席を守った。ここに大きな差がある」と自己分析する。
落選からほどなく参院選に突入し、この夏は公認候補の応援に汗を流したが、8月には総支部長の任を解かれ党からの資金が止まった。かつての同僚が党を離れるなか、民主党本部に次期衆院選への公認申請を提出した。
「子どもが2人いるので一時は就職も考えたが政治で再出発しなければいけない、と覚悟を決めた。資金面など不安はありますが秘書と事務員の2人とともに国政復帰を目指す」
奇遇にも…
そんななか12月5日に甘利明経済再生担当相が、舌がんを公表した。
直後から支持者からの電話が相次ぎ「今のうちにどんどん訪問しろ」と激励されたが「その気にはなれなかった」。現職時代に陳情などで甘利氏と省庁へ同行する機会があった。そこで「甘利先生から様々なことを教わった」という。
甘利氏が病名を公表した翌6日朝、目が覚めると突如、耳が聞こえなくなった。 突発性難聴だった。
7日に緊急入院し、8日間の療養生活を過ごしたが「さまざまな人と出会い、本を読み、振り返り、将来について考えた」という。
橘さんは昨今の野党再編に興味はない。「政治家としてもっと強くならなければならい」からだ。
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