死者1556人、行方不明者207人―。2011年3月11日に発生した東日本大震災で甚大な被害を受けた陸前高田市の消防団員を招いた講演会が24日に勤労福祉会館で開かれ、約30人が参加した。主催は一般社団法人やまと災害ボランティアネットワーク(市原信行代表)。
講演を行ったのは陸前高田市消防団で副本部長を務める及川満伸氏(51)と佐藤一男氏(49)。
及川氏は、同市消防本部屋上で撮影された津波が迫ってくる瞬間、津波により大破した消防車や街の姿などの写真を用いて被害状況や当時の様子を説明。「『動けるのに逃げない人』のために、多くの消防団員や町内会長の命が失われた。まだ思い出すのはつらいが、災害時のルール作りを徹底していかなければならない」と語った。
主に避難所での生活について講演した佐藤氏は、大人数が一カ所で生活する苦労や、運営の手法などを自らの経験をもとに説明。「大規模災害時は行政職員も被災者。彼らや自衛隊が何とかしてくれると思わずに、数日は自分たちで運営しなければならない。どのように誰がまとめるのかを、普段から話しあっておくことが重要」と訴えた。災害時の備えとしてラジオを持つことや、車の燃料を常に半分以下にしないなどの心構えについても話した。また現在、陸前高田市で行われている津波到達点上に桜を植樹し、震災を後世に伝えるプロジェクト「桜ライン311」についても言及。協力を呼びかけた。
及川氏は最後に「家族を守れるのは自分。普段から対策を考えておくことが防災につながる。少しずつでも取り組んでもらい、このような被害を繰り返さないでほしい」と訴えた。
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