大和市内の桜の名所として、多くの花見客が訪れる引地川沿いの「千本桜」(福田)。県の治水工事の一環として、2016年度に新道下大橋から福田8号橋までの約1・3Kmで河川の拡幅工事が始まる。
千本桜は1970年に分譲地として開拓された地域で、引地川の両岸に不動産会社と地域住民がソメイヨシノを植樹。現在では400本を超える桜が、川沿いにピンクのトンネルを作りだしている。一方でゲリラ豪雨などの際に氾濫危険水位を超えることもあり、桜の保全と治水対策の2つを進めていくことが地域の課題となっていた。
そこで2010年度に神奈川県厚木土木事務所東部センターと大和市、近隣4自治会、地元有志による「桜を守る会」、千本桜商店会で「引地川の川づくり検討会」を立ち上げ。安全面と景観保持を踏まえた話し合いを行い、行政側が工事後に新たな桜を植樹することで、市民側が改修工事を受けいれた。
神奈川県厚木土木事務所東部センターによれば、河川の拡幅工事は2016年度に開始されるが、住民らの心情を汲む形で桜の開花時期からずらす予定だという。工事に関しても、一度に全ての区間を行うのではなく、片側ずつ区域を分けて実施する。
同センターでは「今後も定期的に検討状況報告会を開き、植樹後の桜の管理などを地域の方々と検討していく」としている。
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