小田急江ノ島線の高座渋谷駅前で酒店を営む大津嘉久さん(73)はライフワークで長年にわたり、郷土の武将・渋谷重国を調べている。大津さんが古地図を紹介しながら渋谷重国の館跡を案内する歴史散歩が24日に開かれた。金王八幡宮の宮司・田所克敏さん(51)ら約20人が参加し歴史ロマンに思いを馳せた。
重国は鎌倉幕府の有力な御家人で、大和市、藤沢市などを含む「渋谷の庄」66郷を治め、渋谷の館(城)を本拠地にしていた。吾妻鏡に記されている渋谷の館の所在地には諸説があり、大津さんが唱える「大津説」では、大和市と藤沢市の市境辺りだと考えている。
地元の手作り甲冑隊の会長も務める大津さん。この日はお手製の甲冑を身に着け、大津説が描く館の位置などについて地図を片手に案内した。参加者は重国に関心を持つ人たちで、大和市、綾瀬市、藤沢市をはじめ、今回初めて渋谷区の金王八幡宮・田所宮司や重国の子孫にあたる入來和哉さん(69)らも加わった。
途中、大木哲市長や星野俊江観光協会事務局長も合流して一緒に歩いた。歴史散歩を主催したのは公益社団法人大和法人会渋谷支部で、4回目の開催。
「渋谷」つながり交流に期待
高座渋谷駅東側から下福田中学校体育館、宗昌寺、長後天満宮などを歩く3時間余りのコースは、大半が住宅街のなか。古い地図に載っている谷戸(やと)や崖をたどりながら、城の外堀などをイメージしていくもの。記者も一緒に歩きながらその広さを体感した。田所さんは「渋谷姓発祥の地を散策し、自然の城塞のようなものを感じました」と感想を述べた。大津さんらは「渋谷つながりで交流が持てれば、地域の活性化にもつながる。今日をスタートにしてアイデアを出していきたい」と話す。
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