大和版 掲載号:2017年1月1日号

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新春特別座談会

賑わいと活性化目指して20年

日本最大規模 神奈川やまと古民具骨董市

和やかな雰囲気の座談会=大和商工会議所会頭室
和やかな雰囲気の座談会=大和商工会議所会頭室
「散歩感覚でゆっくりぶらり」

 大和駅周辺の賑わいや活性化を目的に平成10年にスタートした神奈川やまと古民具骨董市が、今年4月に20年目を迎える。そこで、市内在住の元東京女学館大学教授の金子皓彦さん、大和商工会議所会頭の宮東悠さん、骨董市出店者の一人で管理部会の吉川淳也さん、骨董市実行委員長の山瀬喜三郎さんに、20年を振り返ってもらいながら、日本一の規模になった大和の骨董市の魅力や特徴、今後への展望などを語ってもらった。

 ――20年目を迎えるにあたり、開催に至ったきっかけやこれまでの歩みをお話しください。

 山瀬 平成7年に、大和駅周辺の交通渋滞解消の為の相鉄線地下化が完了し、地上部分に出来た線路跡地が東西プロムナードとして誕生しました。当初はそこを利用し両サイドに店舗を貼りつけてモール化し、大和市の活性化の起爆剤にしようという計画でしたが、景気の低迷により思うように進みませんでした。そこで、私と大和駅周辺の有志と骨董屋さんとで「ここに骨董市でも…」という案が出て、この取り組みが始まりました。

 それから行政に相談し、行政と共に何カ所かの骨董市視察と研究を致しました。その結果、平成10年に骨董市が大和駅周辺の『賑わいの創出・活性化』につながると判断をいただき、開催することが出来、現在に至っております。

 当初は、西口主体で67店舗から始まり、東西に拡張し5年目では110店舗、10年目では220店舗、15年目には天満宮会場も加わりおよそ300店舗に至りました。この骨董市は毎月第3土曜日に開き、おおよそ300もの古物免許保有の業者が集まって開催。これは日本でも有数な骨董市だと思っております。

 ――具体的に大和の骨董市を紹介してください。

 山瀬 金子先生は最初から買い出しに来ているので先生からぜひ紹介を。

 金子 出席カードを作って欲しい(笑)。毎回出席していますよ。来るたびに収穫がある。例えば、前日、前々日にイギリス、アメリカに滞在していても、大和の骨董市があるときには必ず帰ってきています。それぐらいに期待に応えてくれる骨董市なんです。

 というのは、店が多くなったから広範囲から業者の人が集まる。業者の人というのはフットワークが軽いから、日本中に買い出しにいくわけです。それが大和の時にみんな集まってくるのです。北海道から九州まで、それどころじゃなく、外国のものまでも。何でもここに集まっていると思って間違いないです。骨董屋さん関係の店が300あるのですから、日本一です。

大和の観光資源へ

 山瀬 お客さんは大和駅近くのホテルに泊まって来る方もいるし、観光バスコースでは大和の骨董市を見てお昼は横浜中華街で食べて帰る、そういうルートもできています。大和の一つの観光資源に近づいてきているなと感じています。

 金子 キャンプ座間の関係者、アメリカの人たちも大勢来ますからね。そういう方たちはまた求めるものが面白い。私たちと違い、こんなのどうして買っていくのというような大きなザルや火鉢を抱えて帰ったり。あの人たちはインテリアにしたり、家具として実際に使っていますからね、毎月それが楽しみなんです。

 女性たちは着物を買って帰る。リメイクできるし、帯なんて切ってランチョンマットにしたりテーブルクロスにしたり、あるいは壁に掛けて飾る。こういう本はいくつも出ています。

 宮東 みんなアートにするのですね。面白い。

 金子 業者の方たちは世界中のどっかから買い入れて持ってきている。だから、アフリカのものやアメリカのものもある。私なんかイギリスで石のモザイクが15万円もしてとても買えないと思ったものが、ここでは5千円であったりする。そういう体験はしばしばあります。

 宮東 骨董市の中に飲食店がないというのはいいですね。正解ですね。

 山瀬 絶対に飲食はだめ。あそこはものの販売だけで、食べたい人は周りの商店へ。それが賑わいや活性化につながるだろうと。

地域経済に波及効果

 宮東 商店街の人は喜んでいますよ。骨董市のある日は売り上げが多いと。経済効果ですね。駐車場もそうでしょう。

 山瀬 大和駅周辺には駐車場が3千台ぐらいあるのですが、もう満杯で入れないぐらいです。

 ――来場者の数は。

 山瀬 公称1万人です。

 金子 お天気の日は肩がぶつかりあって歩くほど。私などはたくさんの店を少しでも早く見たいから、朝7、8時には見終わって帰る、そんな予定ですね。

 山瀬 先生のように目的を持って来られる人はもう7時には終わっています。

 金子 だって一つしかないものをコレクターは求めるわけですから。でも、来る人たちは、私たちのようなコレクターもいれば、家で使うかわいい食器を買いたいな、あるいは古いものが欲しい、とお昼からくる人もいます。9時でも10時でもいいのです。その辺がうまく回って一日中、人の流れが絶えない。それが大和の特徴ですね。

 ――業者から見て、大和の骨董市の魅力は。 

 吉川 人が多いのと、色んな国の方が来るので、他では売れないものがここでは売れるのが特徴です。

 ――例えばどんな品物?

 吉川 具体的にいうと、和が強いものというか、日本の人はあまり置きたがらない人形とか。後、大きい柄のものなど、日本人向きではないものがここでは売れますね。

1回も休まず開催

 宮東 大和って観光は弱い。いま、国でも県でも、商工会議所にもう少し観光に力を入れろと言われている。そういう意味では観光事業の一つとして力を入れていきたい。会議所の会合などでも骨董市は自慢できます。”大和”という名前は骨董市にとてもいい。

 宮東 ここは場所的によく交通の便もいい。一度も休んだことがないのですか。 山瀬 毎月第3土曜日の朝6時から夕方4時まで開催する。2年前ぐらいに大雪があったがあの時も本部は出していた。事前にコマーシャル流しているので休めないです。来る、来ないは業者の自主性に任せる。

 ――CMはどれほど?

 山瀬 NHKと文化放送を除きラジオ局全部です。出店者から集める会費の大半を集客目的の宣伝に使うのが大和方式。お客さんが来て売れなきゃ業者が来てくれない。会計をガラス張りにして、行政にも決算報告書を出しています。

 ――運営委員会はどのようなメンバーですか。

 山瀬 商工会議所、イベント観光協会、商店会会長会、会の理解者などメンバー9人です。この委員会になりもう10年になります。毎月会議を開くが出席率は本当に素晴らしい。諸問題の対応にもうまく機能してここまでやってきた。20年間で会場での喧嘩が一度もないというのも自慢です。

 ――大和ならではの骨董市の特徴をもう少し。

 山瀬 自分が育ったときの懐かしい古民具、例えば糸巻きのようなものも出る。古いレジとか昔の計算機なども。懐かしさを探しにきている人などもいます。

時代や文化楽しめる

 金子 ないものはないと思っていい。テレビのスタジオで明治時代の部屋を作りたいと、骨董市を歩いたらセットができるほど。また、業者と知り合いになると何でも探してくれる。いつも買ってくれるから安くするよ、など。そういう買い方はとても楽しい。

 ――骨董品を集めるコレクターの楽しみとは。

 金子 古さや希少価値、あるいは形だとか。工芸品であったら材料やそれを使った時代背景を知ろうと思うと、骨董品というのは楽しい。また、明治時代に作られたお茶碗だとしたら、使った人はどんなテーブルに、茶托はどうだったか、家族構成は…などその時代に思い巡らし、同時代のものばかりを集めるのも楽しい。私の家の食器は全部江戸時代です。家内は最初、とんでもない人の使ったものなんか気持ち悪いと言っていたのが、そのうち一緒に歩くようになった。器がいいと食卓が華やかになり料理が映えます。

 宮東 骨董市が人気というのはそういうところなのでしょうね。

 ――販売する側から見て骨董品の魅力とは。

 吉川 他にはないという一点ものの良さ。あと、仕事がやっぱりいい。凝っているとか。あとは時代の空気感ですね。

 宮東 博物館とはまた違いますね。

 金子 私は博物館学をずっと学校で教えていた。そこでは学生を大和の骨董市に毎月連れてきていました。博物館は、あるものでいいものしかケースに入れてくれない。骨董市は何でも飾ってあり、手に取ることができる。欲しかったら買うこともできる。これは博物館より面白い。博物館にないものがたくさんあるから集めて蒐集家の展覧会が実現する。私のコレクションが並んだ先の横浜の展覧会には2万人が入りました。

 宮東 外国の方も骨董市にたくさん来ています。関心を持つ外国の人がさらに増えてほしいですね。

 山瀬 私たちのパンフレットも日本語と英語バージョンがある。横浜のホテルなどにもぜひ置いてほしいと思っています。

 ――上手に買い物するコツなどは。

 山瀬 雨の日は業者さんも客が来ると喜び、お客さんもゆっくり付きあってもらえて安く買えたりします。

 金子 帰りがけも、この重たいものを車に入れるのは面倒、安くするから買ってよ、と割引が多い。残りものには福がある。

 ――今後への課題や期待などを。

 山瀬 「古民具骨董市」とうたっているので、新物とか昭和や平成の品物などは見ればわかりますから、ちょっと遠慮してほしい。やはり古民具骨董市で仕切っていきたいですね。

 金子 コレクターというのは私もそうですが、見てもらいたくてしょうがないんです。ですから、そういう方たちのコレクションを、1年に春と秋でいいから、2、30個でも飾っていただける機会を市の方でも考えてもらえるとありがたい。

記念事業を展開

 ――20周年記念事業の予定などは。

 山瀬 200回記念でやったリメイクフアッションショーが好評だったので、検討しています。また、ストリートライブを13年ぐらい継続してやってきたので、「懐かしのステージ」などもいいかなと。これから皆で考えていきたい。

 ――最後に、まだ一度も骨董市に行ったことがないという人にアドバイスがあれば。 

 金子 散歩がてら健康のために歩いてもらいたいです。そうすると見たことがないものに出会える。中には国宝級のものだってあるわけです。骨董屋のご主人は色んなことを知っていて、話を聞くだけでも楽しい。 買わなくてもいいけれど、できたら一つでもいいからお茶碗やお皿を買って帰ってみてください。生活が潤いますよ。

神奈川やまと古民具骨董市

大和駅東西プロムナード

TEL:046-240-0587

http://www.yamato-kottouichi.jp/

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