長年、和田地区の民生委員として地域に貢献した 小川 利(とし)さん 上和田在住 77歳
奉仕の心 地域に捧げた28年
○…「40代から務めたので、やっぱり長いなと思う」と謙遜しながら浮かべる笑顔には、達成感と充実感が溢れる。1988年8月から2016年11月までの28年4カ月、和田地区の上和田団地で民生委員を務めあげた。地域の「見守り役」である民生委員。地域の緊急事態に一番に駆け付けられるよう、就寝時も外出できる服装で寝ていたほど。そのため現在はすっと肩の荷が降りた感覚もある。
○…福祉ボランティア活動をしていたことが事務局の目に留まり、民生委員の依頼が来た。当初は1期(3年)務めようと思い引き受けたが、自分の住む地域の役に立てることにやりがいを感じる。母としての経験を生かし、1997年には子育てサロンの立ち上げに参加。2002年から6年間は児童支援担当の部長も務めた。2013年には藍綬褒章を受章。「民生委員は奉仕活動。章のために取り組んできたわけではなく、地域貢献のために1日1日を積み重ねた結果です」と、穏やかな口調の中にも、奉仕への強い思いを滲ませる。
○…新潟の農家に生まれる。父が単身東京にいたため、長女として、妹の子守や家業の手伝いに勤しんだ幼少期。家の近くに流れる信濃川の向こうに畑があったため、移動手段だった舟を漕ぐのもお手の物だった。中学卒業後に一家揃って父のいる東京へ。その後、勤めていた「不二家」の工場で出会った男性と結婚。上和田に転居し、3人の男の子に恵まれた。「家族の理解なしには、民生委員も続けられていない。本当に感謝です」と照れながら話す。
○…奉仕活動はライフワークとなっており、現在もボランティア活動を続けている。「何かしていないと逆に疲れるのよ」と、カレンダーには予定がびっしり。「いつまでも躍動している人生でありたい。そのために、できないと思っても挑戦してきました」。28年の間に紡がれた地域の人と人との輪は、今も地域全体を優しく包みこんでいる。
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