大和商工会議所異業種交流会の新会長に就任した 桑原 玲子さん 市内深見台在住 60歳
自ら体現、会の楽しさ
○…次期会長の打診を受けたのは昨年末。「大先輩も多いし、義母の介護があるから」などを理由に拒み続けた。しかし「会に対して思い入れの強い人になってほしい」という前会長の口説き文句に心が揺れた。家族に相談すると「やるべきだよ」と皆、背中を押してくれた。「自分自身を成長させてくれる」大好きな会。「皆に支えられながら、1年間頑張ってみようかな」。発足から20年、初めての女性会長が誕生した。
○…横浜の生まれ。日野インターチェンジ建設に伴う立ち退きのため、祖母の住む相模大塚へ。高校を卒業し、就職したのは日本を代表する電機メーカー。時代は高度成長期。NHK朝の連続ドラマ『ひよっこ』で描かれたような、日用家電を作る仕事の流れ作業に乗った。しかし「手先が器用だった」少女にとっては退屈な仕事。9カ月で退職し、民宿や置屋を経営する叔父を手伝いに西伊豆へ。芸者も経験した。大和に戻り、結婚。一男一女に恵まれたが、離婚も2度経験。「波乱万丈だよぉ」と決して順風満帆ではない自らの半生を笑って語る。その明るさが、人をひきつける。
○…今から20年ほど前、勤めていた会社が経営する飲食店に、異業種交流会の仲間と食事に来たのが今のご主人。会社が倒産すると、心配し、自らの会社を「手伝え」と言ってくれた。「毎日顔を合わせるうち、それが当たり前の「家族」になった。「思いやりがあって、困っている人がいると放っておけない。誰に対してもそう。面倒見がいいんだよねぇ。大事にしてくれるよ」と「亭主自慢」が止まらない。
○…現場の最前線は子どもたちに任せつつ、自らは新商品を開発中。7月中には商品化ができそうだという。肩ひじ張らずに切磋琢磨できる異業種の仲間。彼らと囲む喧々諤々の会合。そして美味しい食事と酒。「本当に楽しいんだから」と話す笑顔は、仕事や家庭の他に自分の居場所を見つけた喜びが満ち溢れていた。
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