県内でも珍しい地芝居として大谷地区に伝わる「大谷歌舞伎」が9日(日)に大谷八幡宮舞台で公演される。今回は小学3年から中学1年までの子どもたちのみの舞台が初公開される。
江戸時代後期にその起源を持ち、かつては各地で盛んに演じられた農村歌舞伎だが、伝承されている地域は希少だ。県内では大谷地区を含め相模原の藤野地区や座間の入谷地区など、現在まで引き継がれているのは5地区のみ。海老名域でも、かつては国分、上今泉、杉久保など6つの地域に地芝居が存在したが、時代変遷の中で衰退の途を辿った。
実は今回、公演される大谷歌舞伎も他の地域と同様に昭和初期に、その歴史に幕を下ろした。
終戦後、戦地から復員してきた地区の青年らが世相が暗い中「村に文化の灯を」と、地芝居を復活へと導いた過去がある。大谷歌舞伎にとって「第二幕」とも言えるこの流れを地域の住民らは脈々と伝承してきた。
昭和44年10月には歌舞伎のほか、囃子と舞踊の3つの部門から成る「大谷芸能保存会」を結成。昭和50年には市重要無形文化財に指定され、58年には「神奈川民俗芸能50選」にも選ばれている。
3年前から後継者育成
10種類近い演目を有し貴重な伝統芸能として県外からの出演依頼もうける大谷歌舞伎だが、会員の高齢化が進み、後継者育成が大きな課題となっていた。
平成20年8月に地域の子どもたち5人が参加する形で「子ども歌舞伎」を創設。これまでは大人とともに舞台に立ち演じてきたが、9日の公演では子どもたちのみで、江戸歌舞伎の正月興行で恒例だった曽我狂言の一幕「寿 曽我冨士の曙 対面の場」を披露する。時間は午後4時35分から。
出演は梅本桃香(杉久保小5年)小川輝太(大谷小6年)伊藤梨花(大谷中1年)川田隆広(大谷小6年)大西佑希(大谷小4年)柏本さくら(大谷小6年)小野真美亜(杉久保小5年)中田響(大谷小6年)押田優依(杉久保小3年)の9人。
今回の公演は芸能保存会(鈴木守会長)の公演内のひとつ。当日は午後3時30分頃から歌舞伎「絵本太功記十段目 尼が崎閉居の場」(6時20分)や囃子(3時40分・4時25分・6時10分)、舞踊(3時50分・5時35分)が披露される。
問合せは事務局【電話】046(234)9799まで。
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