海老名・座間・綾瀬 人物風土記
公開日:2012.01.13
小惑星「ebina」を発見したNPO法人日本スペースガード協会の理事長を務める
高橋典嗣さん
東柏ヶ谷在住 53歳
地球を救うヒーロー
○…「隕石とか小惑星の衝突とかいうと、オオカミ少年みたいに思いませんか」。小惑星が地球に衝突しないための観測や、日本の人工衛星の軌道観測のほか、子どもたちに宇宙や科学に関心を持ってもらおうとさまざまなイベントを企画するNPO法人日本スペースガード協会の理事長。昨年末には2000年に発見した小惑星に「ebina」の名が認められた。
○…星に関心を持ったのは小学4年生の夏。夏休みの自由研究で悩んでいた時、ニュースでその日の夜皆既月食があることを知り、早速ピンホールカメラを作り観測。グラフやイラストを駆使してまとめた課題が東京都で賞をとった。「ご褒美に」と天体望遠鏡を買ってもらったことがすべての始まりに。中学の時には天文好きの仲間を集め天文クラブを立ち上げた。「毎週のように学校で夜間観測をした。その頃から興味が一気に膨らみました」と当時を懐かしむ。
○…中学のとき仲間と大人になったら「金環日食」と「ハレー彗星」を観に行くことを約束。さらに自宅に天文台を作ることを夢見ていた。やがて沖縄で金環日食、オーストラリアでハレー彗星を観測。98年には自宅の屋上に天文台も作った。29歳の時、学会にミンダナオ島で観測した皆既日食の研究を発表。現在は3つの大学で非常勤講師として教壇に立つ。
○…「われわれの起源は宇宙にある。天体観測はその故郷への思いを馳せているんです」。星を語る笑顔は小4の少年のまま。娘が生まれる直前もシベリアに日食の観測に出かけてしまうほどで、娘にも太陽と月の子で「明子」と命名した。「帰って来るのを待って生まれてくれたんです」。「かかわってきた子どもたちの中には天文学者になった子もいます。関心をもってくれる子が一人でも増えてくれればうれしいですね」。地球を小惑星の衝突から守るべく日々観測を続ける「ヒーロー」はすぐ近くにいる。
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