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海老名・座間・綾瀬 人物風土記

公開日:2012.01.27

神奈川県卓越技能者に選ばれた
五ノ井(ごのい)澄男(すみお)さん
今里在勤 73歳

引き継がれる職人魂



 ○…家具職人としての経験や技術が認められ「神奈川の名工」と称される卓越技能者に選ばれた。職人歴58年、ゴツゴツとした質感の硬い手から優しい家具を作り出す。「作ったものを自分だけ、満足してもダメなんです。人に使ってもらって満足してもらうために、どう作っていくか。ここが大事なんですよ」



 ○…先祖は庭師、父は家具職人と根っからのモノツクリ一族に生まれた。小さい時から父の背中を見て育ったため「家具職人として生きていく」と決めた、15歳の少年の心には何のためらいもなかった。師弟関係になる前に父が一言。「親子の縁を切って、仕事をやれ。出来なければ教えることはない」。厳格な父のもとで家具職人としての一歩を踏み出した。初めて手掛けた作品は「心が込もっていないのは、モノとも呼べるか」と床に叩きつけられてしまった。「あの時の悔しさは今でも忘れませんね」。父から教わったことは早起きや早歩き、ご飯を早く済ませることなど「全てがお前の仕事なんだ。機敏に、正確に、きちっとやれ」。職人の中でも名人と謳われていた父の背中を追い続けた。



 ○…休日の趣味は体を動かすこと。58歳のとき、テレビ番組の影響で社交ダンスを始めた。初めは何も分からない状況だったが1年ぐらいすると、その魅力にのめり込んでいった。「音に合わせたリズムが大切なんですよね。当たり前のことですけど『朝起きて寝る』ようなリズムを持つことが、僕には合っているんでしょうね」



 ○…仕事場では年長者となったが、まだまだ現役続行中。「『これでいい』というものはないんです。モノ作りに完璧はないからこそ、日々成長しなきゃいけないんですよ」と微笑む。厳しさと楽しさを持ちながら、仕事に取り組む。職人としての追求心は止まることを知らない。その背中はかつて自身が追いかけていた父と同じように映っているだろう。

 

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