海老名市東部を流れる目久尻川沿いに位置する杉本小学校(神崎直敏校長)と上星小学校(田澤もと子校長)の児童およそ210人が22日、ホタルの幼虫を放流した。流域住民らで組織する市民団体「目久尻川をきれいにする会」(飯田英榮会長)が10年前から取り組んでいる「ホタルの里事業」の一環。
杉本小、上星小児童が幼虫を放流
「昔はこの辺りでもホタルがよく飛んでいたんだ。そんな風景を子どもたちにも見せてやりたくてね」。
相武台団地(相模原市)付近をその源とし、座間、海老名、綾瀬、藤沢、寒川を経由し相模川に注ぐ総延長19・2Kmの一級河川・目久尻川流域ではかつて、梅雨時期の夕刻、幻想的な光を放つホタルが舞う光景があちらこちらで見られたという。
しかし1960年代に入り高度成長の波が川の姿を一変させた。流域に住宅開発が進み、工場が進出。生活排水や工場排水が清流に流れ込み、水質は悪化の一途を辿った。水は黒く濁り、川底は望めない。当時を知る人は「家庭用の洗剤などで川が泡だらけだった」と話す。この当時「黒い川」と呼ばれた目久尻川流域からホタルは姿を消した。
その後、下水道整備が進められ水質は改善。1995年から地域住民らが「きれいにする会」を立ち上げ、流域の環境整備活動を展開している。10年ほど前からは4月下旬になると鮎の遡上も確認されるほどにまでなったが、ホタルの自生は確認されていない。
会では10年前からかつて数多くのホタルが生息していた杉本小と上星小周辺の小川でホタルを復活させることを目指した事業をスタート。
生息環境を整備し毎年、この時期に幼虫と餌となるカワニナを放流している。当初は梅雨時期になっても光を確認することはできなかったが、ここ数年は放流数の1割程度とまだまだ数は少ないものの、夕闇を舞うホタルの姿を確認することもできているという。
「ホタルの里」復活へ向けた取り組みは10年目となり、この日は杉本小と上星小の児童が220匹の幼虫と約1100匹のカワニナを放流。自宅からカワニナを持ってくる児童もおり、ホタルの成長を願った。
同会によると、5月下旬から6月上旬にかけて幻想的な光を放つホタルが飛ぶ光景が見られる見込だという。
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