海老名市民生委員児童委員協議会の会長 加藤(かとう)彰久(あきひさ)さん 今里在住 71歳
地域の校長先生
○…「民生委員は高齢者のお世話だけではなく、児童委員として子どもたちのお世話もしています」。小学校や高齢者宅の訪問から福祉施設でのボランティアなど多岐にわたる活動を市内各地で展開する140人の委員をまとめる。きょう18日まで市役所で行われているパネル展では積極的に来場者に声をかける姿が印象的。「活動だけでなく、住んでいる地域の委員が誰なのかも知っておいて欲しい」
○…委員になったのは8年前。それまで地元の行事への参加経験もなく、ほとんどかかわってこなかったため初めは断っていたが、自治会長に口説き落とされ「誰かがやる必要があるな」と引き受けた。小学校の教師をしていた経験から、さまざまな事情を抱えた子や保護者とかかわってきたことが委員活動に生きている。なかでも印象的な出来事は、心を閉ざしていたある1人暮らしの高齢の女性が、何度も足を運ぶにつれて心を開いてくれたこと。「とにかく相手の話を素直に聞くことを徹底した。そのうち安心してもらえる存在になったのだと思う。家族や近所との交流もなかったほどだったからうれしかったですね」と頬を緩める。
○…生まれも育ちも海老名。子どもが好きで、教育実習で子どもたちとふれあい「教師になろう」と誓った。藤沢の小学校で校長を務めるも海老名で教壇に立っことは一度もなかった。「『加藤さんの息子』と言われるのがなぜか若い時はそう思われるのが嫌でしたね。父は教師ではなかったけれど…。でも今になってみれば海老名で教壇に立っておいてもよかったかなと思いますね」と苦笑い。
○…「民生委員は相談者の問題を解決する場所につなげるのが仕事。あくまでパイプ役ですね」。長年続けているゴルフや菊の盆栽作り、畑作業とセカンドライフも充実。かつての校長先生は、いまや地域住民の何でも相談できる「校長先生」として人々を温かい眼差しで見守っている。
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