神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

東京大空襲の体験を語る 辻 里子さん 国分寺台在住 82歳

公開:2012年10月26日

  • LINE
  • hatena

想いを次の世代へ

 ○…「戦争をなくしたい。これが悲願です」。1945年3月10日の夜中に東京大空襲を経験した。当時の様子や体験したことを語り継ぐ役目を引き受けたのは2年前。「今までは思い出したくないことがいっぱいありました。それ以上に伝えていかなければいけないことが沢山あると感じました」と空を見上げ、語り始めた。

 ○…15歳の少女は父が経営していた工場に家族や従業員と避難していた。「バリバリバリッと、今までに聞いたことのない音がしました」。いつもと違う雰囲気を感じながら待機していると、父が戻ってきて「ここにいたら蒸し焼きになるぞ」と全員で外へ飛び出した。そこで目にした光景は、見渡す限り燃え盛っていて赤く見える空と逃げ回る人たち。父の案内のままに走り着いた先はどぶ川のような沼地。そこへ身を潜ませ事態が過ぎさるのを待った。目を開くと「言うなれば地獄絵図の光景でした」と言葉を詰まらせる。一難去ってまた一難。一緒にいた妹の体が冷たいまま。家族全員が温めようと抱きかかえたが、そのまま母の腕の中で息を引きとった。「妹の最期は笑顔だったんですよ。あの時の顔は今でも忘れられません」。目には涙が溜まっていた。

 ○…「しばらくは、まともに向き合えなかった」。60歳を過ぎて、いつの時か戦争体験の講演会に行ったり、自分史を書くなど、過去を振り返ることができるようになってきた。そこへ戦争を伝えようとしている、自身よりひとつ下の世代の人たちから声が掛かり「自分があの時見た事、聞いた音、感じた事を伝えていければ」と決意した。

 ○…3月11日は妹の命日。昨年起きた震災の映像は67年前と重なり、悲痛な思いで見ていた。今でも自殺や虐待などのニュースが絶えないのが寂しくて仕方がない。子どもたちの幸せを誰よりも強く願っているからこそ、自分が体験したつらい真実でさえも伝えていく。
 

<PR>

海老名・座間・綾瀬版の人物風土記最新6

吉久 治朗さん

ロマンスカーミュージアムの館長に4月1日付で就任した

吉久 治朗さん

海老名市めぐみ町在勤 58歳

4月19日

加藤 謙次さん

海老名市の給食調理施設「食の創造館」の館長を務める

加藤 謙次さん

海老名市在勤 45歳

4月12日

斉藤 武夫さん

小園地蔵堂保存会の会長を務める

斉藤 武夫さん

綾瀬市小園在住 71歳

4月5日

三橋 秀子さん

3月31日に開催する「あやせ中央公民館まつり」の実行委員を務める

三橋 秀子さん

綾瀬市寺尾中在住 74歳

3月29日

Nomoさん(本名:井上のも(乃茂))

月刊少年エースでマンガ「理香さん、結婚してください!」を連載する

Nomoさん(本名:井上のも(乃茂))

海老名市在住 28歳

3月22日

増茂(ますも) 邦雄さん

「ざま子育てフェスティバル」の実行委員を務める

増茂(ますも) 邦雄さん

座間市相模が丘在住 63歳

3月15日

<PR>

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月19日0:00更新

  • 4月12日0:00更新

  • 4月5日0:00更新

海老名・座間・綾瀬版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

綾瀬で初公演

ロジェ・ワーグナー合唱団 好評発売中

綾瀬で初公演

心に響くゴスペルなど

4月28日~4月28日

海老名・座間・綾瀬版のイベント一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月20日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook