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取材協力/海老名総合病院 医療レポート特別対談 地域・高齢社会における整形外科の役割 整形外科医師・高垣智紀部長×持田讓治顧問
海老名をはじめ、座間、綾瀬など県央30万人以上の急性期医療を担っている「海老名総合病院」。全国同様に市内の高齢化率も年々上昇している中で、医療への関心はさらに高まっている。そこで今回は、今年4月に東海大学病院から同院整形外科に出向してきた持田讓治顧問と高垣智紀部長に、地域や高齢社会における整形外科の取組みと役割について話を聞いた。
「断らない病院」東海大学病院の医師が常勤
―宜しくお願い致します。早速ですが、それぞれの取組みについて教えて下さい。
持田「宜しくお願い致します。まず、整形外科についてですが、骨や関節だけではなく、脊椎や脊髄、上肢(肩・肘・手・手指)、下肢(股、膝、足・足趾)など、広範囲で且つ、小児から成人、高齢者までの全ての年齢層が対象となり、その内容は多様で治療の必要な患者数がきわめて多いのが特徴となります」
高垣「当院では、単に手術療法のみを行うのではなく、各種の保存療法、特にリハビリテーションとは密接な連携をとりながら治療を進めています。時代とともに専門の分化が進みましたが、当科では常に『分化と統合』を忘れることなく、診療を遂行しています」
―幅広い人たちに対応しているのですね。お二人の具体的な取り組みについて教えて下さい。
持田「私は脊椎・脊髄の疾患を主に対応しております。脊椎は一般的に背骨のことを指し、骨の積み木細工のようなものです。脊髄が背骨の中にあり、神経を守る働きがあります。バランス良く機能しているこれらが破たんすると、腰部の椎間板ヘルニアをはじめ、すべり症や脊柱管狭窄症などと診断されたりします。また、脊椎・腰椎の圧迫骨折など高齢者特有の疾患も近年では増えてきています。総合病院のような大きな病院では整形外科にかかる方の30%が脊椎・脊髄関係で受診されます」
高垣「私の方では一般外傷を全般的に診るほか、膝前十字靭帯損傷や半月板損傷など膝関節の悩みや、股関節の疾患など下肢を中心に、関節鏡視下手術を行っています。この手術法は、関節鏡を使用しない従来のものと比較すると、感染症を起こしにくいことや正常組織を傷つけにくい点など、患者様への負担が少ないという利点があります。
スポーツドクターとしての長年の経験からも患者様の希望である”できる限り、元の状態に戻す”ために、この手術方法を取り入れてます。術後のリハビリも重要であり早期の社会復帰ができるよう、体制づくりを進めています。4月から私たちと上肢の専門医師の3人が東海大学病院から出向という形で常勤しておりますので、大学病院と同様のサービスが受けられますし、どんな症状でも対応できるようになりました。また、総合病院ですので、受診にあたっては一般クリニックからの紹介や予約制をとっておりますが、基本的には”断らない病院”として全件お受けいたします」
「自ら予防し、住み慣れた場所で一生暮らす」
―さまざまな症例に対応してくれることは暮らしの安心材料が増えますね。高齢化に伴い、さらに受診件数が増えていくことが予想されます。今後、私たちはどういったことに気を付ければ宜しいでしょうか。
高垣「高齢の患者様の大半の受診理由は腰痛と膝痛です。40歳以上の90%が腰痛を経験するとされ、50歳からは男性の50%、女性の75%が変形性膝関節症の変化が出てきます。こうした情報を私たちが発信しながら知識を得ていただくことも大切です。また、骨量が減って骨折しやすくなる病気、いわゆる『骨粗しょう症』の予防が今後重要なものになります。高齢者の骨折は若い頃とは違い、寝たきりの要因になります。一度寝たきりになると、その状況からなかなか抜けられないことも多く、老化に拍車がかかるわけです。カルシウムだけでなく、ビタミンや良質なタンパク質の摂取、適度な運動・日光浴をしていくことが大切です」
持田「高齢者が一気に増えている一方で、医師の人数が追い付いてないのが現状です。海老名総合病院では460床のベッド数がありますが、本当に必要としている人のためにも、皆様にご理解を訴えていきたいと思います。こうした状況を改善していくにあたっては、医療施設の役割分担を行っていく必要があります。具体的には、かかりつけ医をもつことを推進しております。専門的な知識を得て開業されている医師が地域には大勢おりますので、その方たちと私たちが連携をとっていくことはもちろん、病院を利用される地域の皆様にも、こうした状況を理解していただき、体の症状を鑑みながら、しかるべき場所でしかるべき治療を受けていただくことが重要になります。住み慣れた地域で一生暮らせるよう、住まい・医療介護・予防・生活支援が一体的に提供できる”地域包括ケアシステム”を皆様とともに作り上げていければと思います」
―貴重なお話ありがとうございました。
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