耐震診断の結果、震度6以上程度の地震で倒壊する恐れがあることから移築し、保存する工事が進められている海老名市の郷土資料館「温故館」の移築作業がほぼ完了した。現在、工事は最終段階にあり、4月中には一般公開される見込み。
温故館は大正7年に海老名村役場として建築された洋風建築の建物。外観は大正建築の特徴を残し、「かながわの建築物100選」にも選ばれている遺構だが、市が平成18年6月に実施した耐震診断結果を受け、倒壊が危惧されたことから、同年9月から休館状態となった。
その後、20年1月に5人の専門委員から成る検討委員会が組織され、「保存」か「取り壊し」かで議論が進められた。
「保存」を望む市民から4242通の署名が集まるなど市民の注目度も高まりを見せる中、委員会が出した答えは「耐震補強し保存」。委員会は提言書の中で「旧村役場の庁舎であり市の誇るべき貴重な近代建築遺構」と温故館を位置づけた。
この提言を受け市教育委員会は「移築し保存する」方針を決定。相模国分寺跡西側に位置する民地が移築先に選定され、昨夏から工事が進められていた。
工事は柱などの部材を解体した上で、可能な限り既存の状態を維持する方針で進められてきた。床部分など腐食の激しい部分は新たな部材が用いられているが、構造を含め、移築前の姿を復元している。
3月末には工事が完了する見込みで、市内5カ所に保管している遺跡出土品や民具などの展示品を搬入した上で、4月中には一般公開される予定。
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