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綾瀬の夏の祭典は中止 警備面で安全確保の見込み立たず

社会

公開:2011年4月22日

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祭りの代名詞といえる名物の「ふれあい大釜」
祭りの代名詞といえる名物の「ふれあい大釜」

 毎年8月下旬に催される「綾瀬いきいき祭り」と「綾瀬市商工会青年部花火大会」が今年は開催中止となった。東日本大震災の発生に伴い、警備面での安全が十分に確保できない可能性があることなどを踏まえ判断した。祭りの中止は昭和天皇が入院され、開催を自粛した昭和63年以来2度目、花火については36回目にして初の中止となった。

 綾瀬の夏の祭典「いきいき祭り」は、市制施行を記念し、昭和53年に始まった「市民まつり」を前身とし、今年34回目の開催予定だった。フィナーレを彩る花火大会は周辺域でも珍しい、直径300mの「尺玉」など、2千発の花火が市役所前の春日原の夜空に打ち上げられる。市商工振興課によると市外からの来場者も多く、例年8万人を超える人出がある「綾瀬最大のイベント」だ。

 今年も8月下旬の開催を予定していたが、震災の発生を受け、祭りを主催する実行委員会(増田譲会長)は、今月上旬に臨時会を召集し開催の有無を検討。13人の委員からは「こんな時だからこそ、経済の活性化のためにも実施すべきだ」「チャリティイベントとして開催したらどうか」など開催に前向きな声も多数あがったが、警備人員が十分に確保できず、来場者の安全を確保できない可能性があったため、開催中止を決定した。

 増田会長は「一連の自粛ムードに疑問も持っているが、危険な状態が考えられる中で実行することは主催者として無責任。今年は残念ながら中止となったが来年は大いに盛り上がりたい」と話した。

 一方、花火大会を主催する商工会青年部(笠間功治部長)は全国的に「自粛ムード」が漂う中、今月上旬には「城山桜まつり」をチャリティイベントとして催し70万円を超える義援金を集めるなど、「前向き」な活動を展開。花火大会も開催へ向けた準備を進めてきたが、議論を重ねるに連れ、不安要素が積み重なり18日の会議で「中止」を議決した。

 笠間部長は「花火大会は協賛金で運営している。集めた後で中止にすることはできず、苦渋の決断だった。花火大会に替わるイベントを企画し、綾瀬から元気を発信していきたい」と話している。
 

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