ひょうたん人形を広める愛瓢家 芝崎 秋夫さん 大谷南在住 85歳
生涯モノづくり
○…ドラえもん、きじ、鶴、力士などひょうたん人形が、作業場である自宅横の牛舎跡に所狭しと置かれている。一見乱雑に見えるが何がどこにあるのか承知済み。ごそごそと山積みされたダンボール箱から4次元ポケットのように次々と作品を取り出す。「今製作中の名古屋コーチン。尻尾の曲線が難しくてね。なかなか思うようにいかないよ」。同じ鳥を模ったひょうたんが3羽並ぶ。幾度となく試作を繰り返した跡だ。その横には彩色が済み完成間近の東京スカイツリーがそびえ立っていた。
○…ひょうたんを作り始めたのは今から15年ほど前。お米づくりと酪農を生業にしてきたが、そろそろ酪農から手を引こうと考え思いついた。畜産組合長などを歴任し、あちこち出向く機会があり、ひょうたん人形の存在は知っていた。元々わら細工を教えていたことから「これなら」と自己流で人形づくりをスタート。作ろうとする作品に合わせて、思い通りの形に育てることもできるのがひょうたん作りの楽しさ。「はじめはなかなか上手くいかなかったよ」。「失敗作」という初期の作品である鶴やふくろうたちも、思い入れが強い愛着ある作品たちのため処分されることなく作業場をずっと見守ってきた。
○…これまでに手がけた作品は1000体を超える。現在は、市の文化祭や公民館まつり、コミセンまつりなどに作品を出品しながら子どもたちにひょうたんの絵付け教室を開いている。「子どもたちの笑顔が何よりうれしい。書道経験はあるが絵は苦手な方。逆に教えてもらうことも多いよ」
○…毎晩の晩酌が一番の楽しみ。「焼酎がいいね、それと牛肉。安い細切れだけど。焼肉、すき焼き、なんでもいい。もちろん今晩もやるよ」。さらに「最近ひょうたんづくりを始める人がちらほら出て来たんだよ」と目を細める。「身体が動く間は作るよ。楽しみにしてくれる人がいるからね」。創作意欲はまだまだ衰え知らず。
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