被災した子どもたちに贈る 伊東(いとう)元一(もといち)さん 中新田在住 70歳
オリジナルが命
○…折り紙を器用に折り立体に仕上げられたキリンやゾウ。今にも動き出しそうな動物たちが部屋中にズラリ並ぶ。テレビの横、棚の上、見渡せばそこには何かがいる。その数は100種類を優に超える。東日本大震災後、子どもたちに笑って過ごして欲しいとの思いから「あの日へ”カエル”」という意味を込めた「復興カエル」を千匹作り、被災地へ送るプロジェクトに挑戦中。
○…折り紙で動物を作り出したのは5年前。旅行先で出会った恐竜の作品の魅力に引きつけられた。作品を頂き、すぐさま、その場で解体。どう作られているのか、何度も見て折って分析した。もともと工作は得意な分野。粘土人形の作品をコンクールに出せば、たちまち賞を獲るほどの才能。のめりこむのに時間はかからなかった。必要なのは紙とボンドと、つまようじ。これらがあれば、なんだって作ることができる。マニュアルなどはなく、久しぶりに作るものは作り方を忘れて、新たな作り方で紙に命を吹き込む。「コピーじゃない。オリジナルなものが好きなんだ」。話しながら折っていた「復興カエル」が出来上がるまで、15分足らずだった。
○…趣味は夫婦で出かけること。毎日の散歩を欠かさず、週に3度は小旅行に行く。よく向かうのは横浜。ららぽーとやIKEA、映画、フリーマーケットなど「まわりは皆、若者が多いな。最近までディズニーランドに行ってたんだ。20回以上行ったな」。自他共に認めるおしどり夫婦。
○…新聞配達、土木作業員、プロボクサー、漫画家など異色の経歴を持つ。「どれも今の自分になくてはならないものだね」。何でもプラスにしてしまう性分。「頑張れ」という言葉はプレッシャーを与える気がすることから、あまり好きではない。被災地の子どもたちに笑顔をもたらす「復興カエル」の裏に手書きで、その想いを一言。「ル。ガンバ、東北」。
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