古木を利用したアート作品を制作する 兼田 昇さん 大谷北在住 68歳
中途半端は嫌い
○…「今日も材料探しに竹林に行ってきました」。直径50センチを超える古木の幹から、クルミやピーナッツ、松ぼっくりなどの小さなものまで山や森、生活の中にあるものを利用してさまざまな作品を創りだす。市の文化祭にも4年前から出品。「見られなかった子どもたちに」と自治会の集会所に展示するなど、近所で知らない子どもはいない工作名人。
○…創作を始めたのは4年前。リタイヤをきっかけに、知人から誘われたのがきっかけ。特別、工作が好きというわけでもなかったが、今ではクルミやピーナッツの殻がウサギやカメに見えるほど。長年、消防設備士としてCADを駆使して図面を作成。モノを上下左右、裏から表まで360度から見る習慣が見につき、いかにして相手に興味を持ってもらえるかを常に考えていたことも、今の創作活動と酷似する。「中途半端は嫌い。見てくれる人が楽しんでくれるような、納得のいくものができるまでは時間は惜しみません」
○…知識が増え、毎回違った価値観が学べる旅行が大好きで、すでに日本全国ほとんどの場所を訪れたほど。名所や公園に足を運び、食べ歩きや観光が好きな妻の視線をよそに、「いろいろなモノ」を拾って帰る。「葉っぱとか、松ぼっくりとか、その土地によって違うのがおもしろい」。広島の山深い自然豊かな土地で生まれ育ち、幼いころから山や川からの”戦利品”をポケットやシャツの中に詰め込んで持ち帰っていた。「その頃の行動、今だにやってます」。ニヤリと笑みを浮かべた。
○…「この木いいでしょ。ここのカーブをこうして、穴をあけて、水を入れて、ここに道を…」。次から次へとアイデアは止まらない。先日の台風で倒木した木の幹を近所の子どもたちと一緒に集会所まで運び、現在は次回作について構想を練る日々。「作品を考えるのも作るのも面白い。夜中に目が覚めるほどですよ」。さらに目を輝かせた。
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