樹齢570年余りと推定され、県の天然記念物にも指定されている「海老名の大ケヤキ」(国分南)が4年ぶりに樹木医の診断を受け、「継続的な観察が必要」とされた。
大ケヤキは高さ約12m、幹周り9・2mで海老名を代表する名木。樹齢1200年とも言い伝えられるこの大木の調査は1984年に初めて実施され、調査報告書には「葉の状態は正常で枝は枯れ枝が見られない。幹の空洞化は進んでいるが、生育状況も良好」と診断結果が記されている。しかし「幹が腐朽して支持力を減退していると思われ、枝が折れないような補強対策と幹の空洞化の進行に注意が必要」と、この当時から幹の一部が枝を支えきれなくなる危険性が懸念されていた。
この診断のとおり、93年ごろになると葉数が減少し、樹勢が衰えを見せ始めた。樹木医は「腐朽部が広がり、枝の広がりが、幹に負担をかけている」と診断。大木の維持には「外科手術」が必要となった。
外科手術が奏功
この診断結果を受け、96年には幹の空洞部に鉄の支柱を入れる処置が施された。2003年には雨の侵入を防ぐため、建仁寺垣を取替えるなど「治療」が功を奏し2、3年後からは樹勢が回復してきたという。
07年度には幹への負担軽減を目的に6年ぶりに剪定。根元の腐朽部分にはこれ以上、腐食が進まないよう、空洞部を被覆し、幹の枯死部分も浸水防止処理が施された。
この時以来となった今回の診断では「枝の樹勢があり、枝部分の生育は良好。幹部分については枯死部の拡大が確認された」とし、「今後も継続的な観察が必要だ」と結論付けられている。
古木保存へ挿し木も
樹齢1200年とも570年ともされる古木の保存へ向け96、97年には県の自然保護センターに挿し木を依頼。
初年度は1000本の挿し木を行うも全て失敗。翌年の挿し木では、およそ30本が成功したという。
これらのうち5本は2001年に市庁舎敷地の最南部と海老名中、海西中、東柏ケ谷小、上星小に植樹されている。
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