「海老名銘酒開発委員会」の委員長を務める 山道(やまみち)一広(かずひろ)さん 浜田町在勤 53歳
「よそ者」だからこそ
○…「発売日は入院しなきゃ。そのぐらいこれを作るのに身体を費やしちゃったね」と何事も隠さず、明るく振舞う。海老名の特産品「いちごわいん」を作る「海老名銘酒開発委員会」の委員長で、「あわベリー」や「いちごリキュール」などを企画。「提案をするのは大好き。ただ任された後は死に物狂いで実行しなきゃって感じで、なんとかやってきました」。今年の商品にも想いは詰まっている。
○…北海道出身。父の仕事の都合で宮城や神奈川の各地で育つ。小学生のときは毎年転校するような転勤族の家庭だった。少し仲良くなったら別れが来る。「『転校生がきたぞー』って言われるのが嫌でね」と過去を思い出しながら少し寂しげな表情で語る。持ち前の明るさで、仲間の輪に入っていく術を幼いころから学んだ。
○…大学卒業後、会社員として働くも「みんなが来てくれる店を経営してみたい」と27歳のときに脱サラ。当時、最先端だった「コンビニエンスストア」に目を付け起業した。販売するための免許を取得するのが大変だった。そんな中、酒の免許を取ったときに出会ったのが今の仲間。「当時の会は震え上がるほど厳しい体育会系の集まりで、飲みすぎで痛風になったのは私の有名な話です」と眉間にしわを寄せるも「右も左も分からないまま商売を始めた自分に先輩たちが商いの基本を教えてくれた」と感謝の気持ちを続けた。会では祭りやイベントに参加したり、地元農家とのつながりが出来たりと「友達作り」感覚を楽しみに、活動の幅をどんどん広げていった。
○…「海老名で育っていない自分は『よそ者』って感じ。とっても悔しかったからこそ、意地っ張りになって頑張れた」と腕を組む。「タウンニュースに載ったら役を降りようと思っていた」と冗談を言いながら「感謝の思いを持って海老名へ恩返しをすることしか今は考えていない」と凛々しい顔を見せた。
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