昨年12月22日に就任した海老名市の瀬戸清規教育長(61)が8月9日、「一身上の都合」を理由に、任期を3年4カ月近く残し辞職した。市長室などによると、市が山梨県富士河口湖町に所有する野外教育施設「富士ふれあいの森」の存続議論の中で、ほかの委員の同意を得られず体調を崩していたという。
バンガロー棟や炊事棟などが整備され、年間およそ6千人の利用がある「ふれあいの森」は1995年にオープンした。
来年9月に土地の賃貸契約が満了となるこの施設の存続に関し今年4月、瀬戸氏は施設の老朽化や年間4500万円近い維持管理経費などを鑑み、施設の廃止案を市教委定例会に提案。教育現場からは「存続」を求める声も多く聞かれ、継続審議となっていた。
5月末には施設が富士山が噴火した際に土石流や火砕流の被害が想定される「二次避難ゾーン」に位置していることが判明。6月の市議会定例会で藤澤菊枝議員(志政会)の一般質問に対し瀬戸氏は「安全面も考慮し、2013年度限りで使用を打ち切り、廃止せざるを得ない」と答弁していた。
7月26日の市教委定例会では4人の委員が「子どもたちにとっては有益な施設」などとし、廃止案を否決。教育委員の理解を得られず、廃止案に同意を得られなかった瀬戸氏はこの前後から体調を崩していたとみられ、周囲には「以後の職務遂行に自信が持てない」と話していたという。
瀬戸氏は8月5日までに市教委と内野優市長に辞職願を提出。市教委は6日に開かれた臨時会で、市長は9日にこれに同意した。
「任命責任を問うべき」
任期を3年以上残し、異例ともいえる辞職に内野市長は「任命責任は感じているが、教育長として教育委員会で決めていかなければならないことに対し、他の委員の理解が得られなかったことに対しての責任を取った形であり、やむを得ない。後任に関しては熟慮の上、選任していきたい」としている。
また教育委員に関する人事案に同意した市議会側からは「3年以上の任期を残しての辞職なんて前代未聞。新任の人事案が出されてもまた同じことを繰り返す可能性がある。市長の任命責任を問うべきだ」と話す議員もいる。
瀬戸氏の辞職に伴い新教育長が就任するまでの間、仲戸川元和教育担当理事が教育長職務代理者となる。
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