「海老名市手をつなぐ育成会」の会長を務める 藤田 精子さん 杉久保南在住 59歳
愛に溢れる皆の「母」
○…知的ハンディのある人たちとその親、そして支援者で組織される「海老名市手をつなぐ育成会」の会長として150人の会員をまとめる。9月9日に文化会館で開かれる地域集会ではドキュメンタリー映画「ちずる」の上映や講演会を控える。「映画として派手さはないが、障がい者やその家族の自立や幸せを『考える日』になればうれしいです」。優しい語り口の裏に熱い思いが見える。
○…会とのつながりは17年前にさかのぼる。知的なハンディがある愛娘が小学4年の時、「とにかく情報が欲しい」と市のパンフレットを見て会を知った。愛娘は3歳までは普通に歌ったり、しゃべったりしていたが次第に言葉が少なくなっていった。「夢中で子育てしてきた。周りは『大変そう』だと思っていたようだが私自身はそう思わなかった」と笑顔で振り返る。「あの子は友達にも周囲の人たちにも恵まれ、愛されて育った。それが彼女の財産ですね」。会長の顔から母親の顔に切り替わったように映った。
○…北海道出身。地元で金融機関に就職するも、仕事に違和感を覚える毎日を送るうちに興味は「障がい者支援」に広がり、障がい者施設に転職。持ち前の行動力で夢を実現させた。「金融機関が合わなかった。その時は自分の子どもが障がいをもつとは思ってもみなかったけど」と笑顔を欠かさない。
○…「最近やっと自分のために時間を使っていいことに気が付いた。今は毎年、北海道に帰って地元の友人と集まる同窓会が楽しみ」と母親から一人の「女子」の顔に。海老名の会長のほか県では副会長、さらに市役所内の飲食店「ぱれっと」の代表として忙しい毎日を送る。「本当は会長などやりたくない。やる人がいないだけ。家でゆっくりしていたい」と笑顔で毒づくも、やさしく包み込むような愛に溢れる温かさが、皆の「母親」的な存在としてこれからも慕われ続けるに違いない。
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