大谷歌舞伎伊田和己さん 60年の役者人生に幕 あす市民文化祭で上演
江戸時代後期に始まった農村歌舞伎の流れをくむ「大谷歌舞伎」の役者として舞台に立ちつづけた、伊田和己さん(84)=人物風土記=があす11月2日(土)に文化会館で催される舞台を最後に60年の「役者人生」に幕を降ろす。
農村歌舞伎はかつて海老名市域でも各地で盛んに演じられたが、時代変遷の中で、衰退の一途を辿った。大谷歌舞伎も例外ではなかったが、1969年に地元の青年らが立ち上がり「大谷芸能保存会」を起ち上げ、歌舞伎を復活させた。
伊田さんは25歳のときに初舞台を踏み、「先人から受け継いだ伝統芸能を継承する」という責任感で60年にわたり、舞台に立ち続けたが、2日の舞台で一線から退くことを決意。今後は後身の指導に専念するという。「さびしいが、後継者の育成が大切。最後の舞台をしっかりと務めたい」と胸の内を明かしながら、稽古を重ねた。
「役者人生60年」の有終の美を飾る演目に選ばれたのは、伊田さんの十八番のひとつ「仮名手本忠臣蔵・七段目祇園一力茶屋」。茶屋場を舞台に繰り広げられる「仇討」の演目で、伊田さんは大星由良之助という主役の武士を演じる。
舞台は現在開催中の「海老名市民文化祭」の伝統芸能部門の一幕として披露される。時間は午後0時45分から。観覧無料。
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