沖縄県の普天間飛行場に配備されている米軍の新型輸送機オスプレイが、7月15日に厚木基地に飛来した。首都圏を含む東日本に飛来するのは初めて。基地の北側と南側では市民団体など約500人が抗議集会を開き、オスプレイの飛行中止を求めて声を上げた。また報道関係者らも数多く集まり、基地周辺は騒然とした雰囲気に包まれた。
「静かな空を返せ」「オスプレイの飛来を許すな」
特徴のある機体が大和市上空に姿を見せた15日午後3時半頃、基地北側の広場に集まった市民団体らが一斉に抗議の声を上げた。
厚木基地爆音防止期成同盟の大波修二委員長(67)は「オスプレイは優れた兵器かも知れないが、危険度の高い軍用機。民家の上を飛ぶことは許されない。2度と厚木基地に来させないよう戦い続けたい」と語った。第四次厚木爆音訴訟原告団の藤田栄治団長(80)も「厚木基地周辺は人口密集地。すでに騒音に悩む住民が、部品落下や墜落の心配もしなければならない。このまま歯止めが効かなくなり、全国に広がるのが怖い」と不安な表情を見せた。抗議集会に参加した永野三重さん(62)は「オスプレイに来てほしくない一心で参加した。孫のためにも今、行動しておかないと後悔する。絶対に阻止したい」と力強く話した。
オスプレイは午後3時半頃に着陸。約1時間後にキャンプ富士に向けて離陸した。大和市によると、着陸時に滑走路北側で94・2㏈、離陸時に南側で82・9㏈の騒音を測定したという。
「丁寧な説明を」防衛省に要望
米海兵隊の新型輸送機オスプレイが7月15日に米海軍厚木基地に飛来する可能性があることが国を通じて発表されたことを受け、県と海老名を含む9市で構成する基地関係県市連絡協議会は11日、南関東防衛局を訪れ、自治体や住民に対し丁寧かつ具体的な説明を行うよう求める小野寺五典防衛相宛ての要請書を提出した。要望書では地元の基地負担の実情を認識し、これ以上の負担が生じないようにする対応も求めた。
これに対し防衛局側は「米軍の運用の詳細に関わる情報提供は困難な面があるが、速やかな情報提供に努めていきたい」などと回答した。
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