商工フェアで出品される「手づくり酒まんじゅう」を作る 坪井 房枝さん 下今泉在住 84歳
愛情込めて、人に喜びを
○…自宅裏の工房に入るとほわーっと香る酒の風味。「食べてみなさいよ」。手の平サイズの酒まんじゅうはほんのりとした温かさ。口に入れると風味が広がり、もちもちとした食感は絶品の一言。思わず「もう一つ食べてもいいですか」と言いたくなる。酒まんじゅうを作り続けて30年。地域のイベントなど多くの場所で指導をしてきた。「酒まんじゅうと言えば坪井さん、坪井さんと言えば酒まんじゅう。そんな風に皆さんから覚えてもらっているようですよ」と誇らしげの表情だ。
○…農家の家系で育ち、和裁や洋裁、食事など、花嫁修業の一環で母から受け継いできた一つに酒まんじゅう作りがあった。「農作業のおやつに」と慣れ親しんだ酒まんじゅうを披露したのは30年前の「ふるさとまつり」。好評を博した酒まんじゅうの話題が独り歩きし、まちの講座などに引っ張りだこになった。「多くの人と触れ合うことができたわ。今でもつながりがあって本当にやって良かった」。イベントを重ねると同時に、菓子屋に足を運ぶなどしてより美味しさを追求するように。「私の酒まんじゅうは全て手作りなの。その中でもこだわりは”皮”。是非食べてもらいたい」。23日の産業まつりでは700個が販売される。
○…子どものころから運動では負け知らず。強気な性格で目の前のことに何でも一生懸命取り組んだ。「『知ったかぶりはダメ』『人には親切に』母からの2つの教えが今でも自身を突き動かしている。この通りにしていれば、きっと人生はうまくいくと思うわね」
○…そんな母が結納の際に贈った言葉がある。夫婦は一生の恋人なり―。結婚した後も、地域の縁結び役として多くの仲人を務めたりもした。89歳のご主人とは今でも会話が絶えない仲良しで、息子からひ孫まで家族皆が慕ってくれている。「家族全員が仲良しで幸せでいれることが健康の秘訣かもね」。一番の笑みでインタビューを終えた。
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