地球上にある7つの大陸の最高峰(通称・7サミット)制覇を目指している地元の高校生・齋藤佳憲さん(さつき町在住)が、本格的にプロの登山家としての一歩を踏み出そうとしている。昨年9月、壮大な夢の実現に向けて手始めとなったアフリカ大陸のキリマンジャロ(5895m)では、準備不足などもあり踏破失敗に終わっているだけに「まずは今年の夏、リベンジを」と準備を進めている。
齋藤さんは、この春から県立弥栄高校に通うごく普通の16歳。だが、海西中学校に通っていた一昨年前、登山家の野口健氏の著書に強く感銘を受け「7サミット制覇」を突如、決意。野口氏らに精力的に働きかけ次々と協力を取り付けると共に厳しい環境下での登山に必須となる低酸素トレーニングもクリア。2014年9月、アフリカ大陸の最高峰となるキリマンジャロ踏破にチャレンジした。
初陣の失敗から教訓
しかし7サミットの中では比較的、登頂が容易とされ初陣を飾るには格好の舞台だったはずのこの場面で、経験不足ゆえの失敗を経験。想定外の豪雪に対し登山用具の防水処理が不十分だったため、体温維持が難しい状況に陥り、やむなく山頂アタックを断念した(本紙1月1日号・既報)。
この際、挑戦に必要な資金(約60万円)は母親の援助が大半。苦しい家計からようやく捻出してもらっていた事を重々承知していた齋藤さんは、今後リベンジのためには「スポンサーとなってもらえる人や企業が必要」と痛感し、早速行動。
手始めにキリマンジャロ挑戦時の記録映像と、山頂への歩みを諦めざるをえなかった経緯や心の葛藤(かっとう)を、自身の描いたイラストで表現して組み合わせた約7分の短編ムービーを制作。インターネット上の動画投稿サイトに公開したこの作品は既に2千人以上に視聴され、高校生とは思えぬバイタリティーと評されるその行動力に共感したユーザーから応援メッセージが寄せられるなど、早くも反響を呼んでいる。
先輩のレクチャーも
こうしたPR活動と同時に、本格的な資金集めに向けて今月中旬には一線級の登山家として活動している先輩クライマーのもとを訪問。「スポンサー探しの手法」「責任・心得」といった多岐にわたるレクチャーを受け、真剣な表情で話に聞き入っていた=写真=。
恩返し「映像作品」で
今年夏、再びキリマンジャロ登頂を目指し、現在は費用確保のためのアルバイトと日々のトレーニングに精を出す齋藤さん。「当面の目標は『高校在学中の4大陸最高峰挑戦』です」と明言する。また映像表現のレベルアップにも精力的で、芸術科美術を専攻できる高校を選んだのもその一環。「苦境を乗り越えてこそ見られる『頂きの景色』を作品として表現し、何かを感じてもらえれば」と話す。
将来的には、こうした映像作品の中でスポンサー企業の名前を認知してもらえるような工夫をする事で、協賛者への恩返しをしていく”プロ登山家としての方針”も打ち出している。
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