神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

渡り鳥コアジサシ 環境保護への道、険し 人工中洲の整備進まず

社会

公開:2015年6月5日

  • LINE
  • hatena
例年、相模大堰付近を飛ぶ姿が見られるが…
例年、相模大堰付近を飛ぶ姿が見られるが…

 絶滅危惧種に指定されているカモメ科の渡り鳥「コアジサシ」が、社家の取水管理事務所付近にある相模川の人工中洲へ飛来している。2002年ごろ、この中洲には700羽近くの飛来があったが、その後飛来数が急減。2013年ごろから再び見られるようになり、今年は5月22日の時点で12羽が確認されるなど回復傾向が見られる一方、関係者らに積極的な保護の動きが見られない状況が続いている。

 コアジサシは毎年4月頃、繁殖のためにオーストラリアなどから日本に飛来してくる渡り鳥。日本でヒナを育て、9月頃にオーストラリアに向かって再び飛び立つとされている。近年は全国的に飛来数が減り、国のレッドデータブックの絶滅危惧種II類に指定されている。

 市内を流れる相模川の人工中洲への飛来は1997年ごろから増え始め、一時は700羽近くの飛来が確認されたが、その後飛来数が年々減少。営巣やふ化、巣立ちのない年も続いた。

 2013年から再びその姿が見られるようになり、中洲を所管する社家取水管理事務所によると、今年は5月22日に12羽を確認。しかし、5月25日には姿を消していた。その3日後の5月28日には、(公財)日本鳥類保護連盟の専門委員を務める坂本堅五さん(今里在住)がつがいの2羽を確認。卵を雌雄で抱卵している姿が見られたという。

 坂本さんは「コアジサシのヒナを狙うカラスやチョウゲンボウなど、天敵の影響で姿を消したのではないか」と分析する。再び戻ってきたことについては「営巣地を探す中で、しばらくしてから一度離れた場所に戻ってくることもある」と話していた。

 しかし、相模川に飛来しているコアジサシを積極的に保護しようとする動きは行政側には乏しく、前出の取水管理事務所でも”人工中洲は相模大堰周辺の土砂を移動させるための場所”と定義づけているなど、コアジサシの生息場所としてふさわしい環境整備には程遠い状況となっている。

近隣エリアでは成功例も

 一方、県内の飛来地としては、酒匂川(小田原市)も知られている。この川でもピーク時には700羽近い飛来が確認されたが、その後は減少の一途を辿ってきた。また、営巣をしても、天敵の影響などでヒナが巣立ちを迎えられない年が続いた。

 こうした事態を受け、小田原市では2013年に行政が主体となり、酒匂川上流の中洲にカラス除けのトラップを設置。その結果、天敵の影響を受けることなく、同年には18羽、翌年には12羽のヒナが巣立ちを迎えるなど、回復の兆しをっ見せている。

 この酒匂川での成功例を参考に「相模川でも環境保全に力を入れるべき」といった声も一部にあり、今後の対応が期待される。

<PR>

海老名・座間・綾瀬版のトップニュース最新6

おもてなし準備着々

綾瀬市

おもてなし準備着々

「バラのまち」周知に向け

4月19日

23年ぶり座間に

大相撲夏巡業

23年ぶり座間に

スカイアリーナ30年記念で

4月19日

ボウリングで関東制覇

海老名市松田さん

ボウリングで関東制覇

最高スコアも記録

4月12日

インクルーシブで連携

海老名市神奈川県

インクルーシブで連携

協定締結、協議本格化へ

4月12日

リユース店とタッグ

座間市

リユース店とタッグ

資源物の持ち去り対策で

4月5日

調理施設が開館

海老名市食の創造館別館

調理施設が開館

中学校給食開始に向け

4月5日

<PR>

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月19日0:00更新

  • 4月12日0:00更新

  • 4月5日0:00更新

海老名・座間・綾瀬版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

綾瀬で初公演

ロジェ・ワーグナー合唱団 好評発売中

綾瀬で初公演

心に響くゴスペルなど

4月28日~4月28日

海老名・座間・綾瀬版のイベント一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月24日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook