「障害者自立更生者」としてこの程、神奈川県から表彰を受けた 鈴木 治郎さん 門沢橋在住 60歳
”当事者目線”で共生社会を
○…身体のハンディキャップを克服し、社会活動を継続している人を対象に県から贈られる「障害者自立更生者」の表彰は、誰もが一生に一度しか受け取れないという貴重な代物。「話を聞いた時、私でいいのかと思いましたが、これまでの活動を認めてもらえた気がして、とても嬉しかったですね」とニッコリ。
○…北海道出身。出生時から「脳性麻痺」で、足を自由に動かすことができなかった。歩く訓練をするため、小学2年で親元を離れ、実家から片道5時間もかかる旭川市の養護学校に転校、寮生活を送った。訓練の末、初めて自分の足で歩いたのは20歳の時。「”重力”を感じたときのことは鮮明に覚えていますね」と感慨深げにポツリ。社会人になると「誰もが地域で生活できる環境を作りたい」と、障害者共同作業所の立ち上げや、公共交通機関のバリアフリー化などに尽力した。しかし当時は障害があると電車に乗れないとも揶揄(やゆ)された時代。それでも必死に横浜駅前で街頭スピーチを行い、鉄道会社に要望書を提出するなど熱心に駆け回った。努力の甲斐もあり現在は多くの電車やバスで環境が整備された。「今朝も、小田急線で車椅子の人を2人も見かけたんですよ」と満足気な笑顔を見せる。
○…現在は福祉施設の所長や、大学の非常勤講師などを兼務し休日も講演会を行うなど大忙しの日々。たまの休みは「自宅でゴロゴロ」が至福の時間。今月、長女に初孫が生まれる予定で「一安心。これからは孫と遊ぶ休日もありだね」と、早くも好々爺の一面も。
○…今も歩くことはできるが、少しの移動でも20分以上かかってしまうので、基本的に車椅子を使う。「不幸とは思わない。でも不便だ」。実体験を基に語る言葉は限りなく重い。「皆が不便なく暮らせる環境を目指したい。意志を継いでくれる後継者も育てたいね」。穏やかな口調ながら、熱い胸の内を語ってくれた。
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