分煙技術アドバイザーとして活躍する 吉田 茂男さん 東柏ケ谷在住 74歳
信条は「誰かのために」
○…受動喫煙による健康被害を防ぐため、県は6年前に条例を施行した。これに伴い生まれた「分煙技術アドバイザー」は現在3人おり、その中の一人として活躍している。ホテルや飲食店、神社など申請があった県内の事業所を回り、建築や環境面などを考慮した分煙対策を助言してきた。「『吸う人も吸わない人も快適に』をモットーに取り組んでいます」と、話す姿に実直さが伺える。
○…現役時代は環境技術分野の設計技術者として従事。退職後に業界団体から推薦を受けたのがきっかけで、分煙技術アドバイザーになった。自身は50年にわたる愛煙家で、仕事の時はたばこから手が離せないほどだったという。「気分転換になるので、仕事の効率が上がるんですよね」というように、喫煙全てがダメということではなく、「あくまで喫煙者のマナーが大切」と強調する。
○…「私は異色なタイプかも知れません」と語るのは、仕事をしながらボランティア活動に取り組んでいた経験から。会社員当時、バブルがはじけ、企業ではリストラが盛んに行われ自殺者が多発していたことを憂いていた時代。県の広報紙で「いのちの電話相談員」の募集を見つけ応募した。様々な悩みを抱える人の相談活動と仕事の2足のわらじをはき、13年間を過ごした。「苦しんでいる人が目の前にいるのは辛い。戦後間もない貧しい時代を経験したのが根本にあるのかな」と思いを語る。
○…東柏ケ谷で生まれ育つも、定年を迎えるまで地域とのつながりは全くなかった。退職後、自治会長から民生児童委員、祭りの役員などを歴任。「昔の先輩や仲間とつながれるのは楽しい」と、地域活動にも積極的だ。現在は地域に伝わる”かっぽれ踊り”の復活に注力する。「様々な活動が地域の絆を深めるものになる。微力ながら協力していきたい」と、取材を終えた足で踊りを披露する高齢者施設へ向かった。
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